受け子・出し子で逮捕されたら懲役何年?実刑を分ける事情を解説

目次

【この記事の結論・要約】

  1. 特殊詐欺の受け子・出し子として有罪になった人のうち、半数以上が執行猶予の付かない実刑判決を受けています。
  2. 実刑になるかどうかを大きく左右するのは、役割よりも、判決で認定される事件の数です。
  3. 被害弁償の状況と、余罪がどこまで立件されるかによって、処分の見通しは変わります。

はじめに

特殊詐欺の受け子や出し子として逮捕された場合、本人や家族がまず知りたいのは「刑務所に入ることになるのか」「入るとすれば何年か」という点です。
「初犯でも実刑になることがある」「懲役2〜3年が一つの目安になる」といった説明を目にすることもありますが、同じ受け子・出し子でも、事件の内容によって結果は大きく分かれます。

この記事では、法務省の犯罪白書に掲載された調査結果をもとに、受け子・出し子の量刑の実態を説明します。
そのうえで、実刑と執行猶予を分ける事情、とくに「何件の事件で責任を問われるか」が結果に与える影響を取り上げ、処分の見通しを変えるためにできることを整理します。

なお、闇バイトで強盗に加わった場合や、指示役として関与した場合の量刑は、以下の記事で解説しています。

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受け子・出し子・かけ子の違いと、成立する罪

役割ごとに成立する罪

特殊詐欺は、指示役を中心に、役割を分けた複数人で行われます。
警察庁の統計では、令和7年に特殊詐欺で検挙された2,338人のうち、受け子が1,379人(59.0%)、出し子が301人(12.9%)で、あわせて7割を超えます(警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」1)。

主な役割と、成立する罪は次のとおりです。

役割内容主に成立する罪
かけ子電話などで被害者をだます詐欺罪(刑法246条1項)
受け子(現金を受け取る)被害者の自宅などで現金を受け取る、空室や私書箱で荷物を受け取る詐欺罪
受け子(カードをすり替える)キャッシュカードを偽物とすり替えて持ち去る窃盗罪(刑法235条)
出し子(引き出す)キャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す窃盗罪
出し子(送金する)ATMや不正に入手した情報を使って送金する電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)
見張り・運搬・リクルーター受け子の見張り、現金の運搬、実行役の勧誘関与の程度により、共同正犯または幇助犯

同じ受け子でも、現金を受け取るか、キャッシュカードをすり替えるかで成立する罪が変わります。

法定刑の違い

詐欺罪と電子計算機使用詐欺罪の法定刑は、いずれも10年以下の拘禁刑です。
罰金刑の定めがないため、起訴されて有罪になれば、執行猶予が付くかどうかにかかわらず拘禁刑が言い渡されます。

これに対し、窃盗罪の法定刑は10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、罰金刑の定めがあります。
「受け子・出し子は罰金で済むことはない」と一律に説明されることがありますが、法律上は、成立する罪によって違いがあります。

また、犯行グループが組織的に詐欺を行ったと認められる場合には、組織的犯罪処罰法の組織的詐欺罪が成立し、法定刑は1年以上の有期拘禁刑となります(同法3条1項13号)。

見張りや運転だけでも罪になる

現金を直接受け取らず、見張りをしたり、受け子を車で送迎したりしただけでも、罪に問われます。
詐欺の計画を知りながら役割を分担して加わっていれば、詐欺罪の共同正犯(刑法60条)として、受け子と同じ罪で処罰されます。

関与の程度が小さく、犯罪を手助けしたにとどまると評価される場合は、幇助犯(刑法62条1項)となります。
幇助犯の刑は、正犯の刑を減軽したものです(刑法63条)。
共同正犯と幇助犯のどちらにあたるかは、報酬の約束の有無や、計画をどこまで知っていたか、果たした役割の重要性などから判断されます。

特殊詐欺で成立する罪の全体像は、以下の記事で解説しています。

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受け子・出し子の量刑の実態

統計の出どころ

受け子・出し子の量刑について、現在参照できるまとまった統計は、法務省法務総合研究所が令和3年版犯罪白書で公表した特別調査2です。
特殊詐欺で有罪判決を受け、判決が確定した196人の確定記録を調べ、役割や事件数ごとに科刑の状況を分析しています。

対象となった判決は平成28年のものであり、現在の量刑傾向をそのまま示すものではありません。
また、役割や事件数ごとに母数が異なる点にも注意が必要です。
それでも、役割や事件数と量刑の関係を示した公的な統計として、見通しを考えるうえで参考になります。

半数以上が実刑になっている

調査対象者全体では、約3分の2が全部実刑、約3分の1が全部執行猶予でした(刑の一部の執行猶予を受けた者はいませんでした)。

同じ白書によれば、令和2年の地方裁判所における詐欺全体の科刑状況は、全部執行猶予が52.8%、全部実刑が47.2%です。
特殊詐欺は、詐欺全体と比べて実刑になる割合が明らかに高いことが分かります。

役割ごとの全部実刑の割合は、次のとおりです。

役割類型全部実刑の割合
主犯・指示役84.2%
架け子83.6%
犯行準備役64.5%
受け子・出し子54.9%

受け子・出し子は4つの類型の中で最も低いものの、それでも半数を超えています
「末端だから執行猶予になる」とは言えないことが、この数字から分かります。

実刑になった場合の刑期

全部実刑となった人の刑期は、2年以上3年以下が27.2%で最も多く、次いで3年を超え4年以下(17.3%)、5年を超え10年以下(9.9%)、1年以上2年未満(7.4%)、4年を超え5年以下(5.0%)の順でした(いずれも調査対象者全体に占める割合)。

役割別に見ると、5年を超え10年以下の実刑となった人の割合は、主犯・指示役で21.1%、架け子で16.4%であったのに対し、受け子・出し子では1.1%にとどまり、4年を超え5年以下の実刑となった受け子・出し子はいませんでした。
受け子・出し子が実刑になる場合、刑期は3年前後が中心になると考えられます。

詐欺全体より重く評価される背景

特殊詐欺の量刑が詐欺全体と比べて重い背景には、犯行グループが役割を分けて組織的に犯行を繰り返すこと、高齢者などを狙って多額の被害が生じやすいこと、被害金が指示役などに渡ってしまい被害の回復が難しいことなどがあると考えられます。

受け子・出し子は、自分が受け取った金額のうちわずかな報酬しか約束されていない場合でも、組織的な犯行の不可欠な一部を担ったものとして評価されます。
「末端の役割にすぎない」という事情は考慮されるものの、それだけで執行猶予が付くとは限りません。

実刑と執行猶予を分けるのは、役割よりも「件数」

事件数によって実刑の割合が大きく変わる

同じ調査は、判決で認定された特殊詐欺の事件数ごとにも、科刑の状況を分析しています。
ここでいう事件数は、被害者ごとに1件として数えたものです。

認定された事件数全部実刑の割合
1件34.7%
2件72.1%
3件92.3%
4件77.8%
5件以上92.3%

1件にとどまれば実刑は約3人に1人ですが、2件になると7割を超え、3件では9割を超えます。
役割による違い(54.9%〜84.2%)と比べると、事件数による違い(34.7%〜92.3%)のほうがはるかに大きいことが分かります。

刑期にも差が出ています。
1件から4件までは、実刑の刑期は2年以上3年以下が最も多かったのに対し、5件以上では3年を超え4年以下が32.7%、5年を超え10年以下が25.0%を占めました。

ただし、当事務所では、3件以上の場合でも執行猶予となった事例があります。
後述する被害弁償が重要となってきます。

受け子・出し子の半数以上は「1件」

受け子・出し子として有罪になった人のうち、認定された事件数が1件の人は54.9%で、役割類型の中で最も高い割合でした。
これに対し、主犯・指示役で1件の人は15.8%、架け子では5.5%にとどまります。

つまり、受け子・出し子の実刑率が他の役割より低いのは、役割そのものが軽く評価されているというより、1件で終わっている人が多いことによる面があると考えられます。
反対に言えば、受け子・出し子であっても、複数の事件で責任を問われれば、実刑の可能性は大きく高まります。

件数が増える仕組み

特殊詐欺では、1件目の事件で逮捕・勾留された後、捜査の中で別の被害者に対する事件が見つかり、再逮捕や追起訴が繰り返される場合があります。
スマートフォンの解析やATMの防犯カメラの映像、共犯者の供述などから、余罪が明らかになるためです。

もっとも、関与が疑われる事件がすべて立件されるわけではありません。
起訴するには、その事件に本人が関与したことを証拠によって立証できなければならないからです。
キャッシュカードを使った引き出しでは、ATMの利用記録や防犯カメラの映像が残るため、余罪が裏づけられやすいと考えられます。
一方、現金を手渡しで受け取る類型では、被害者の記憶や共犯者の供述に頼る部分が大きくなり、事件ごとに立証の難しさが異なります。

複数の事件で有罪になると、併合罪として、最も重い罪の刑の長期にその2分の1を加えたものが刑の上限になります(刑法47条)。
詐欺罪であれば、上限は15年の拘禁刑です。

どの事件がどこまで立件されるかは、処分の見通しに直結します。

執行猶予が付く条件と、判断で重視される事情

執行猶予の要件

刑の全部の執行猶予は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を言い渡す場合に、情状によって付けることができます(刑法25条1項)。
前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがないこと、または刑の執行を終えてから5年以内に拘禁刑以上の刑に処せられていないことが条件です。

受け子・出し子の実刑の刑期が3年前後を中心としていることからすると、言い渡される刑が3年以下に収まり、かつ執行猶予を相当とする事情があるかどうかが分かれ目になります。

判断で重視される事情

執行猶予を付けるかどうかは、次のような事情を総合して判断されます。

  • 認定された事件の数と、被害額の大きさ
  • 被害弁償や示談ができているか
  • 果たした役割と、報酬の額や約束の内容
  • 犯行グループとの関わりの深さ(勧誘された経緯、他の役割の経験の有無など)
  • 前科・前歴の有無
  • 年齢、家族などによる監督の態勢、就労の見込み

このうち、本人や家族の努力によって判決までに変えられるのは、被害弁償と、監督の態勢の準備です。
被害総額が大きい事件であっても、被害弁償の状況や本人の事情によって執行猶予が付された例もあります。

報酬を受け取っていない場合の被害弁償

受け子・出し子には、報酬を受け取る約束をしていたものの、実際には受け取らないまま検挙された人が少なくありません。
同じ調査では、報酬を受け取った、または受け取る約束をしていた受け子・出し子のうち、56.1%が約束のみで実際には受け取っていませんでした。
報酬額が100万円以上だった受け子・出し子は2.4%にとどまります。

しかし、報酬を受け取っていないことは、被害弁償をしなくてよい理由にはなりません。
共犯者全員が被害全額について責任を負うため、被害者から見れば、受け子・出し子に対しても被害額全体の賠償を求めることができます。
被害弁償をどこまで、どのような方法で行うかは、量刑を考えるうえで重要な課題になります。

民法上も、共同して不法行為を行った者は、それぞれが損害の全額について賠償する責任を負います(民法719条1項)。
被害弁償の資金を本人が用意できない場合に家族が援助することもありますが、家族に支払いの法的な義務があるわけではありません。
援助するかどうか、どこまで援助するかは、弁護人と見通しを確認したうえで判断することになります。

執行猶予が付いた後の注意点

執行猶予が付けば、判決の後すぐに刑務所に入ることはなく、社会の中で生活を続けられます。
ただし、有罪判決であることに変わりはなく、前科として残ります。

執行猶予の期間中に再び罪を犯して拘禁刑に処せられた場合などには、執行猶予が取り消され、猶予されていた刑と新しい刑の両方を受けることになります(刑法26条)。
保護観察が付いた場合には、定期的に保護司などと面接し、指導や監督を受けることになります。
闇バイトの募集に再び応じることがないよう、連絡先の削除や交友関係の見直しなど、生活の立て直しが求められます。

「知らなかった」「脅されていた」はどう扱われるか

「詐欺だとは知らなかった」という主張

受け子として荷物や現金を受け取っただけで、中身が詐欺の被害金だとは知らなかったという場合、詐欺の故意がなければ詐欺罪は成立しません。

ただし、最高裁判所は、指示を受けてマンションの空室で名宛人になりすまして荷物を受け取り、回収役に渡す行為を繰り返し、報酬を得ていたなどの事情がある事案で、詐欺にあたる可能性を認識していたことが強く推認されるとして、詐欺の故意と共謀を認めています(最高裁判所第三小法廷平成30年12月11日判決・刑集72巻6号672頁、最高裁判所第二小法廷平成30年12月14日判決・刑集72巻6号737頁)。

上記の最高裁判決に照らすと、「はっきり詐欺だと分かっていたわけではない」という程度の認識では、故意は否定されにくいといえます。
一方で、関与の経緯や指示の内容によっては、故意を争う余地がある事件もあります。

「脅されていた」という事情

応募の際に送った身分証や住所をもとに、「家族に危害を加える」などと脅され、抜けられなくなったという事情が語られることがあります。

こうした事情は、量刑を判断する際の情状として考慮される余地はあります
しかし、それだけで罪が成立しなくなるわけではありません
脅迫の具体的な内容や、警察に相談する機会があったかどうかなども含めて評価されます。
脅迫のメッセージなどが残っていれば、客観的な資料として保全しておくことが大切です。

逮捕から判決までの流れと、身柄拘束の期間

受け子・出し子として逮捕されると、警察での48時間、検察官が勾留を請求するまでの24時間を経て、裁判官が勾留を決めれば最長20日間身柄を拘束されます。
共犯者がまだ捕まっていないことが多い特殊詐欺では、勾留にあわせて、家族との面会や手紙のやり取りを禁じる接見禁止が付く判断につながりやすくなります。

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起訴されると、身柄の拘束は被告人としての勾留に切り替わって続きます。
拘束を解くには保釈を請求する必要がありますが、再逮捕が見込まれる段階では、保釈は認められにくくなります。

余罪での再逮捕が繰り返される場合、最初の逮捕から判決までが数か月以上に及ぶこともあります。

本人が未成年の場合

受け子として検挙される人には、少年も含まれます。
令和7年に特殊詐欺で検挙された少年は468人で、そのうち353人が受け子でした。
受け子全体(1,379人)で見ると、約4人に1人は少年です(警察庁・前掲)。

20歳未満の少年の事件は、捜査の後に家庭裁判所へ送られ、少年院送致や保護観察などの保護処分が検討されます。
18歳・19歳の特定少年や、事案が重大な場合には、検察官に送り返されて成人と同じ刑事裁判を受けることもあります。

処分の見通しを変えるために弁護士ができること

取調べへの対応

逮捕の直後から、取調べでは役割や報酬、指示役とのやり取り、他の事件への関与について詳しく聴かれます。
どのように供述するかは、故意の有無や、共同正犯か幇助犯かの判断、余罪の立件にも関わります。
弁護人は、勾留の判断の前から本人と面会し、取調べへの対応を助言します。

被疑者には、自分の意思に反して供述しない権利(黙秘権)が保障されています(憲法38条1項、刑事訴訟法198条2項)。
取調べの内容は供述調書にまとめられ、署名と押印を求められますが、内容が自分の話と違う場合には、訂正を求めることも、署名を断ることもできます。
一度作成された供述調書は裁判で証拠になり得るため、どのような方針で取調べに臨むかを、弁護人と相談しておくことが大切です

余罪の見通しの把握

事件数が量刑に大きく影響する以上、他にどのような関与があったのか、それがどこまで立件される見込みがあるのかを、早い段階で把握しておくことが欠かせません。
弁護人は本人から事情を聴き取り、再逮捕の可能性を踏まえて、保釈の請求の時期や被害弁償の進め方を考えます。

被害弁償と示談

被害者の連絡先は、通常、本人や家族には知らされません。
弁護人が検察官を通じて被害者と連絡を取り、謝罪と被害弁償の申入れを行います。
被害者が複数いる事件では、どの被害者にどのように弁償するかも含めて調整が必要になります。

まだ逮捕されていない場合

受け子や出し子として関与してしまったものの、まだ逮捕されていない場合には、自首を検討することが考えられます。
罪を犯した人が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができます(刑法42条1項)。

すでに捜査機関が犯人を特定している場合には、法律上の自首にはあたりません。
それでも自ら出頭したことは、逃亡や証拠隠滅のおそれが小さいことを示す事情として、身柄拘束や量刑の判断で考慮される余地があります。
出頭の前に弁護士に相談し、話す内容や持参する資料を整理しておくことで、その後の手続を見通しやすくなります。

家族による監督の態勢の準備

判決までに、家族が本人を引き受けて監督すること、就労や生活の立て直しの見通しがあることを示せれば、執行猶予の判断にあたって考慮される事情になります。
家族が身元引受人となり、裁判で情状証人として証言することも考えられます。

よくある質問(FAQ)

受け子で逮捕されました。初犯でも実刑になりますか。

初犯でも実刑になる可能性はあります。

法務省の調査では、特殊詐欺の受け子・出し子として有罪になった人の54.9%が全部実刑でした。
認定された事件が1件にとどまれば実刑の割合は34.7%まで下がるため、余罪がどこまで立件されるかが大きな分かれ目になります。

受け子と出し子では、刑の重さに違いがありますか。

成立する罪が異なり、受け子は詐欺罪、キャッシュカードを使って現金を引き出す出し子は窃盗罪になります。
窃盗罪には罰金刑の定めがあるという違いがありますが、特殊詐欺の一部として関与した以上、実際の量刑は事件数や被害額、被害弁償の状況によって判断されます。

1回だけ荷物を受け取っただけです。それでも刑務所に入ることになりますか。

1件にとどまる場合、法務省の調査では全部実刑となった人は34.7%で、約3人に2人は執行猶予が付いています。

ただし、被害額が大きい場合や被害弁償ができていない場合には実刑となることもあり、その1件以外に関与がないかどうかも問題になります。

被害額が数百万円を超えています。執行猶予が付く可能性はありますか。

被害額が大きいことは不利な事情ですが、それだけで執行猶予の可能性がなくなるわけではありません。
被害弁償や示談の状況、関与した件数、前科の有無、家族による監督の態勢などを総合して判断されます。

報酬をもらっていないのに、被害弁償をしなければならないのですか。

はい、報酬を受け取っていなくても、共犯者の一人として被害全額について責任を負います。
被害弁償は量刑で考慮される重要な事情であり、どの被害者にどこまで弁償するかは、弁護人を通じて調整することになります。

見張りをしただけですが、罪になりますか。

詐欺の計画を知りながら見張りを分担していれば、詐欺罪の共同正犯として処罰される可能性があります。
関与の程度が小さく、手助けにとどまると評価される場合は幇助犯となり、刑は正犯より軽くなります。

まとめ

  • 受け子は詐欺罪、キャッシュカードのすり替えや引き出しは窃盗罪、送金は電子計算機使用詐欺罪となる。見張りや運転だけでも共同正犯または幇助犯として処罰される
  • 法務省の調査では、受け子・出し子として有罪になった人の54.9%が全部実刑であり、実刑の刑期は3年前後が中心である
  • 認定された事件数が1件なら全部実刑は34.7%だが、2件で72.1%、3件で92.3%に上がる。役割よりも件数の影響が大きい
  • 執行猶予は3年以下の拘禁刑の場合に付けることができ、被害弁償の状況や家族による監督の態勢が判断材料になる
  • 報酬を受け取っていなくても、被害全額について責任を負う
  • 余罪の見通しを早い段階で把握し、被害弁償と監督の態勢の準備を進めることが、処分の見通しを変える

当事務所では、特殊詐欺の受け子・出し子として逮捕された方の接見、取調べへの対応の助言、被害者との示談交渉、保釈の請求、公判での弁護など、捜査の段階から判決までの対応をお受けしています。
ご本人だけでなく、ご家族からのご相談もお受けしています。

再逮捕や追起訴が見込まれる事件では、対応の時期によって取れる手段が変わります。
ご家族が逮捕された場合は、お早めにご相談ください。

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  1. https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/hurikomesagi_toukei2025.pdf ↩︎
  2. https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/68/nfm/n68_2_8_5_3_2.html ↩︎

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この記事を書いた人

髙田法律事務所の弁護士。東京弁護士会所属 登録番号60427
インターネットの誹謗中傷や離婚、債権回収、刑事事件やその他、様々な事件の解決に携わっている。
最新のビジネスや法改正等についても日々研究を重ねている。

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