立ち退きを求められた方へ|立ち退き料の交渉・増額を弁護士が対応

立ち退きを求められた方へ|立ち退き料の交渉・増額を弁護士が対応

「建物を建て替えるので、来年3月までに退去してほしい」
「立ち退き料として、引越し代の○○万円を支払う」
「契約の更新はしないので、期間が終わったら出て行ってほしい」

大家や管理会社から、このような連絡を受けることがあります。
突然の申入れに、すぐに引っ越さなければならないのか、提示された金額で応じるしかないのか、判断に迷う方も少なくありません。

建物を借りている人は、借地借家法によって保護されています。
貸主から退去を求められても、それだけで直ちに出て行かなければならないわけではありません。
また、立ち退き料の金額は、貸主の理由の強さや借主の事情によって大きく変わります。

当事務所では、アパート・マンション・戸建てを住まいとして借りている方、店舗・事務所を借りている方の側に立って、立ち退きの条件の交渉、合意書の確認、調停や訴訟への対応を行っています。

対応しているご相談

  • 契約の更新をしない、または解約すると通知された
  • 建物の老朽化や建替えを理由に、退去を求められた
  • 建物の所有者が替わり、新しい大家から退去を求められた
  • 提示された立ち退き料の金額に納得できない
  • 「立ち退き料は出さない」「引越し代だけ払う」と言われた
  • 合意書や念書への署名を求められている
  • 貸主から調停を申し立てられた、または訴状が届いた
  • 鍵を替えられた、何度も訪問されるなど、強引な方法で退去を迫られている
  • 店舗や事務所の移転にともなう営業上の損失を補償してほしい

立ち退きを求められても、すぐに退去する義務はない

貸主には「正当の事由」が必要

普通の建物賃貸借では、貸主が契約の更新を拒んだり、解約を申し入れたりするには「正当の事由」が必要です(借地借家法28条)。

正当の事由があるかどうかは、貸主と借主のどちらにその建物を使う必要があるかを中心に、これまでの契約の経過、建物の利用状況や現況、立ち退き料の申出を考慮して判断されます。
建物が古いというだけで、正当の事由が認められるわけではありません。

立ち退き料は正当事由を補うもの

立ち退き料は、借地借家法28条の「財産上の給付」にあたります。
貸主の事情だけでは正当の事由が足りない場合に、その不足を補うものとして考慮されます。

そのため、貸主の理由が弱いほど、退去を求めるために必要な立ち退き料は高くなる方向に働きます。
金額の交渉では、貸主が示す理由にどの程度の裏付けがあるかを確かめることが出発点になります。

立ち退きを拒否できるケースと、その場合の流れは、以下の記事で解説しています。

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立ち退き料は事案によって大きく変わる

立ち退き料には、法律で決められた計算式や相場はありません。
住まいとして借りている建物について、当事務所が判決の原文を確認した東京地方裁判所の裁判例では、次のような判断がされています。

  • 認められた立ち退き料を家賃に換算すると、3か月分から約160か月分まで幅がある
  • 貸主が申し出た74万円(家賃10か月分)に対し、借主の健康状態などを考慮して200万円が認められた例がある(平成29年1月17日判決)
  • 貸主が申し出た30万円では不十分として、明渡しそのものが認められなかった例がある(平成21年6月16日判決)
  • 貸主が840万円を申し出ても、借主の事情から明渡しが認められなかった例がある(令和元年12月12日判決)

家賃が同じくらいの物件でも、金額が数倍違うことがあります。
提示された金額が妥当かどうかは、「家賃の○か月分」という目安ではなく、事案ごとの事情にもとづいて検討する必要があります。

裁判例の詳しい内容と、立ち退き料の内訳の考え方は、以下の記事で解説しています。

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弁護士が行う対応

貸主の理由と裏付けの確認

貸主が示す退去の理由が、正当の事由としてどの程度の強さを持つかを検討します。

老朽化や耐震性を理由とする場合は、耐震診断の結果や修繕費用の見積りがあるか、建替えの計画がどこまで具体的かを確認します。
必要に応じて、貸主側にこれらの資料の開示を求めます。

立ち退き料の根拠の整理

引越し費用、新居の契約費用、同じ地域で同程度の物件を借りた場合の家賃の差額を積み上げ、求める金額の根拠を整理します。

あわせて、年齢や健康状態、介護や通院の事情、居住年数など、転居の負担が大きいことを示す借主側の事情を、資料とともに主張します。
これらの事情は、裁判例でも立ち退き料の金額を左右しています。

貸主・管理会社との交渉

ご依頼後は、弁護士が窓口となり、貸主、管理会社、貸主の代理人弁護士との交渉を行います。
ご本人が貸主側と直接やり取りをする必要はなくなります。

金額以外の条件の交渉

立ち退き料の金額だけでなく、退去の時期、退去までの家賃の扱い、原状回復の費用、敷金の返還、立ち退き料の支払時期も交渉の対象になります。
転居先を探す期間を確保できるかどうかは、生活や営業に直結する条件です。

合意書の作成・確認

合意した内容は、合意書にまとめます。
金額、支払時期、退去日、敷金や原状回復の扱い、退去が遅れた場合の取決めなど、後で争いにならないよう条項を確認します。
貸主側が作成した合意書の案に署名を求められている場合も、署名する前に内容を確認します。

合意書で確認すべき条項は、以下の記事で解説しています。

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調停・訴訟への対応

話合いがまとまらない場合、貸主から民事調停の申立てや、建物の明渡しを求める訴訟が起こされることがあります。
当事務所では、交渉から引き続き、調停や訴訟でも借主の代理人として対応します。

訴訟では、裁判所が正当の事由の有無と立ち退き料の額を判断します。
正当の事由が認められなければ、明渡しの請求は退けられます。

強引な追い出し行為への対応

鍵の交換、荷物の搬出、執拗な訪問や電話など、法的な手続によらずに退去させようとする行為には、中止を求める通知や、必要に応じて裁判手続で対応します。

違法な追い出し行為への対処法は、以下の記事で解説しています。

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店舗・事務所を借りている方へ

営業補償が加わる

店舗や事務所の立ち退きでは、移転の費用に加えて、営業上の損失も補償の対象になります。

  • 移転先の内装工事、設備の移設、看板や印刷物の作り直しにかかる費用
  • 移転のために営業を休む期間の損失
  • 移転によって得意先や常連客を失うことによる損失
  • 移転先との家賃の差額

貸主の同意を得て取り付けた造作については、契約が終了するときに、貸主に時価で買い取るよう請求できる場合があります(借地借家法33条)。
ただし、契約で造作買取請求権を排除する特約が定められていることもあるため、契約書の確認が必要です。

損失は資料で示す

営業上の損失は、決算書や売上の記録などの資料で示す必要があります。
立地への依存の度合いは業種によって異なり、移転による影響がどの程度かを具体的に主張することになります。

法人として借りている場合も、個人事業として借りている場合も対応しています。

事業用の立ち退き料の内訳と算定は、以下の記事で解説しています。

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ご相談いただく時期

次のような段階で、ご相談ください。

  • 貸主や管理会社から、更新しない旨の通知や退去の申入れを受けたとき
  • 立ち退き料の金額を提示されたとき
  • 合意書や念書への署名を求められたとき
  • 調停の申立書や訴状が届いたとき

合意書に署名した後や、先に退去した後では、条件を変えることは困難です。
退去を承諾する前の段階であれば、とれる手段が多く残っています。

ご依頼の前に知っておいていただきたいこと

弁護士費用が増額分を上回る場合がある

当事務所の成功報酬は、立ち退き料の増額分を基準にしています。
一方で、ご依頼時に着手金が必要です。

たとえば、立ち退き料が50万円増えた場合、弁護士費用は着手金22万円と成功報酬11万円の合計33万円(このほか事務手数料)となり、手元に残る増額分は大きくありません。
増額の見込みが小さい事案では、弁護士に依頼することで、かえって手元に残る金額が少なくなる場合があります。

ご相談の際には、見込まれる増額の幅と弁護士費用を比べたうえで、ご依頼いただくべきかどうかをご説明します。
ご依頼をお勧めしない場合は、その旨をお伝えします。

解決までに時間がかかる場合がある

貸主側が条件の見直しに応じない場合、交渉が長引くことがあります。
調停や訴訟に進んだ場合は、さらに時間がかかります。
退去の時期について希望がある場合は、ご相談の段階でお知らせください。

貸主との関係への配慮

弁護士が代理人として交渉を始めると、貸主側も弁護士を立てるなど、やり取りが改まったものになることがあります。
交渉がまとまらずに住み続けることになった場合も含め、どのような進め方がよいかを、ご意向を伺いながら決めていきます。

当事務所の対応

弁護士が直接対応する

ご相談からご依頼後の交渉、調停や訴訟まで、弁護士が直接対応します。
他の業者を介したご紹介や、紹介料のやり取りは行っていません。

裁判例にもとづいて見通しを説明する

立ち退き料の水準は、裁判所がどのような事情を重視してきたかを踏まえて検討する必要があります。
当事務所では、ご相談の事案と近い事情の裁判例を参考に、見通しをご説明します。

交渉から訴訟まで一貫して対応する

交渉の段階から、調停や訴訟に進んだ場合を見据えて主張と資料を整えます。
手続が移っても、同じ弁護士が引き続き担当します。

ご相談から解決までの流れ

STEP1 お問い合わせ

お電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。
ご相談の日程を調整します。

STEP2 法律相談

契約の内容、貸主から示された理由と金額、これまでのやり取り、ご本人の事情を伺います。
正当の事由の見込み、立ち退き料の見通し、弁護士費用をご説明します。

STEP3 ご契約

方針と費用にご納得いただいた場合に、委任契約を結びます。
ご相談のみで終える場合、相談料のほかに費用はかかりません。

STEP4 受任の通知と交渉

貸主側に、弁護士が代理人になったことを通知します。
以後の連絡は弁護士が受け、条件の交渉を進めます。

STEP5 合意書の作成、または調停・訴訟

条件がまとまれば、合意書を作成します。
まとまらない場合は、調停や訴訟での対応について、改めて方針と費用をご説明します。

STEP6 立ち退き料の受領と明渡し

合意書に定めた時期に、立ち退き料の受領と建物の明渡しを行います。

ご相談の際にお持ちいただきたい資料

  • 賃貸借契約書、更新の際の契約書
  • 貸主や管理会社からの通知書、手紙、メールなど
  • 立ち退き料の金額や条件が書かれた書面
  • 家賃の支払の記録
  • 貸主とのやり取りの記録(日時と内容のメモ、録音など)
  • 店舗・事務所の場合は、直近の決算書や確定申告書

すべてそろっていなくても、ご相談いただけます。

弁護士費用

金額はすべて税込みです。

法律相談料

項目金額(税込)
初回30分5,500円
2回目以降30分11,000円

ご相談のみで終える場合、相談料のほかに費用はかかりません。

交渉段階

項目金額(税込)
着手金22万円~
事務手数料別途(郵送費や通信費などに充てるもの)
成功報酬増額分の22%~

増額分は、ご依頼の時点で貸主から書面で示されていた立ち退き料の額から、増えた金額です。
ご依頼の時点で貸主から金額が示されていない場合は、受け取った立ち退き料の額を増額分とします。

交渉の結果、退去せずに住み続ける(営業を続ける)ことになった場合の報酬は、22万円とします。
貸主が明渡しの請求を取りやめた場合、または契約を続けることで貸主と合意した場合がこれにあたります。
退去までの家賃の免除や原状回復費用の免除など、金銭の支払以外の成果の扱いは、ご契約の際にご説明します。

費用の総額の例として、貸主から100万円を提示されていた立ち退き料が交渉で200万円になった場合、弁護士費用は着手金22万円と成功報酬22万円の合計44万円(このほか事務手数料等)となります。

調停・訴訟段階

項目金額(税込)
交渉から引き続き調停・訴訟に移る場合の追加着手金11万円~
調停・訴訟の段階からご依頼いただく場合の着手金33万円~
事務手数料別途
期日日当1回3万3000円(4回目以降から発生)
成功報酬増額分の22%~

※期日に出頭する場合、別途交通費等が発生する場合がございます。

貸主から調停を申し立てられた場合や、訴状が届いた場合も、この段階からご依頼いただけます。
調停や訴訟に移るかどうかは、交渉の状況を踏まえてご相談のうえで決めます。

合意書の確認のみ

項目金額(税込)
貸主側が作成した合意書案の確認と助言5万5000円~

実費

収入印紙代、不動産鑑定の費用などは、弁護士費用とは別にご負担いただきます。

事案の内容や難易度によって、金額を調整する場合があります。
その場合は、ご契約の前にご説明します。

よくある質問(FAQ)

相談だけでも構いませんか。

ご相談のみでも承ります。提示された条件の妥当性や今後の見通しをご説明し、弁護士に依頼すべきかどうかも含めてお伝えします。
ご相談のみで終える場合、相談料のほかに費用はかかりません。

引越し先を先に決めてもよいですか。

立ち退きの条件が決まる前に転居先を契約して退去すると、立ち退き料を受け取れなくなるおそれがあります。
転居先を探すこと自体は構いませんが、契約や退去は条件がまとまってからにしてください。

交渉中も家賃は払い続けるべきですか。

払い続けてください。
家賃を滞納すると、契約違反を理由に契約を解除され、立ち退き料を受け取れなくなるおそれがあります。

管理会社から退去を求められています。

管理会社は、貸主の側の立場で連絡をしてきます。
管理会社から示された理由や金額も、貸主からの申入れとして内容を確認します。

ご依頼後は、管理会社とのやり取りも弁護士が行います。

定期借家契約でも相談できますか。

ご相談いただけます。

定期借家契約は期間の満了で終了しますが、契約前に法律で定められた書面による説明がされていない場合などは、定期借家契約としての効力が認められないことがあります。
まず契約書と契約時の書面を確認します。

すでに合意書に署名してしまいました。

合意書に署名した後に条件を変えることは、原則として困難です。

ただし、合意書の内容や署名に至った経緯によっては検討の余地がある場合もあるため、合意書をお持ちのうえでご相談ください。

弁護士費用のほうが高くつくことはありませんか。

増額の見込みが小さい事案では、弁護士費用が増額分を上回ったり、手元に残る金額がわずかになったりする場合があります。
ご相談の際に、見込まれる増額の幅と弁護士費用を比べてご説明します。

店舗や事務所の立ち退きにも対応していますか。

対応しています。

店舗や事務所では、移転の費用に加えて営業上の損失も補償の対象になるため、決算書などの資料をもとに損失を示して交渉します。
法人として借りている場合も、個人事業として借りている場合もご相談いただけます。

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立ち退きの条件は、退去を承諾する前であれば交渉の余地があります。
提示された金額や条件に納得できないまま署名や退去をする前に、当事務所にご相談ください。

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