【この記事の結論・要約】
- GMOとくとくBBの契約に関する照会書は、運営会社である「GMOインターネット株式会社」の名義で届き、書面の名称も「契約者情報開示に関する照会書」等とされる場合があります。ブランド名と異なる差出人・見慣れない書面名でも、詐欺と即断せず、内容を確認してください。
- 回答期限は14日以内とされています。また、裁判所への申立てを経ている形式が多い印象があるとされており、不同意でも開示に至る可能性を前提に、開示後の示談交渉まで見据えた方針を早期に立てる必要があります。
- 申立書が同封されている場合、目録に大量のIPアドレスが記載されていることがありますが、そのすべてがあなたの通信とは限りません。書面の読み方を誤って過大な不安を抱く前に、自分に関係する部分(タイムスタンプ・対象ファイル)を正確に確認することが第一歩です。
はじめに
「GMOインターネット株式会社から『契約者情報開示に関する照会書』という書類が届いた。トレントを使った心当たりはあるが、契約しているのはGMOとくとくBBのはずで、書面の名前も聞いたことがない」 「同封されていた申立書に、大量のIPアドレスの一覧が載っている。これが全部、自分がやったことにされているのか」
GMOとくとくBBは、ドコモ光・auひかり・フレッツ光のプロバイダやWiMAXとして広く契約されているサービスであり、その契約に関するトレント(BitTorrent)の照会書は、運営会社であるGMOインターネット株式会社の名義で届きます。
GMOのケースでは、①差出人がブランド名(GMOとくとくBB)と異なること、②書面の名称が他社の「発信者情報開示に係る意見照会書」と異なる場合があること、③同封資料の分量が多く読み方に迷いやすいこと、という3つの戸惑いが重なりやすいのが特徴です。
本記事では、GMOインターネットから照会書が届いた場合に固有の実務を解説します。
照会書そのものの意味や回答の判断基準については、別の記事をご参照ください。

GMOインターネットから照会書が届くのは、どの契約か
GMOインターネット株式会社名義の照会書は、次のような契約について届き得ます。
- GMOとくとくBB光(GMO光アクセス)を契約している場合
- ドコモ光を、GMOとくとくBBをプロバイダとして契約している場合
- auひかりを、GMOとくとくBBをプロバイダとして契約している場合
- フレッツ光のプロバイダとしてGMOとくとくBBを契約している場合
- GMOとくとくBBのWiMAXを契約している場合
ドコモ光やauひかりの契約者にとって、GMOとくとくBBは契約時にキャッシュバック等で選んだきり、意識していないことが少なくありません。
さらに書面の差出人は「GMOインターネット株式会社」という運営会社名になるため、二重に見覚えのない名前に見えます。
見慣れない差出人だからといって詐欺と決めつけ、開封しないまま放置することは避けてください。
なお、ドコモ名義・KDDI名義で届いた場合の対応は、それぞれ別の記事で解説しています。


書面の確認
書面の名称と形式
GMOの照会書は、「契約者情報開示に関する照会書」といった、他社の「発信者情報開示に係る意見照会書」とは異なる名称で届くとされる場合があります。
名称は異なっても、権利者からの開示請求について契約者の意見を確認するという書面の性質は同じです。
また、GMOのトレント案件は、裁判所への発信者情報開示命令申立てを経ている形式が多い印象があるとされています。
裁判所の手続を経ている場合、不同意と回答しても最終的に開示命令が発令されるケースが大半とされるため、「不同意で開示を防げるか」だけでなく、「開示された後の示談交渉にどう備えるか」を含めた方針を、早い段階から検討しておくことが現実的です。


【重要】申立書の目録の読み方
申立書類が同封されている場合、その目録(動画目録・発信者情報目録など)に、多数のIPアドレスやタイムスタンプが一覧で記載されていることがあります。
ここで知っておいていただきたいのは、目録に記載されたIPアドレスのすべてが、あなたの通信とは限らないという点です。
権利者側の申立ては、多数の契約者に関する通信をまとめて対象としていることがあり、その場合、目録にはあなた以外の契約者の通信も含まれています。
確認すべきは、照会書本体であなた宛てに特定されている通信、すなわちあなたに関するタイムスタンプ(通信日時)と対象ファイル名です。
目録の分量に圧倒されて「これを全部やったことにされている」と誤解し、過大な不安から言われるままの対応をしてしまう前に、自分に関係する部分を正確に切り分けてください。
切り分けに迷う場合は、書面一式を持ってご相談いただければ、その場で整理します。
回答期限(14日)と対応
GMOの照会書の回答期限は、14日以内とされています。
この期間で、事実関係の確認(家族への確認を含みます)、同封資料の読み解き、回答方針の検討、回答書の作成を行うことになります。
同封資料が多い分、確認に時間を要しやすいため、早めの着手が必要です。
期限に間に合いそうにない場合でも、放置して期限を徒過させるのではなく、期限の取扱いについて連絡・相談することが重要です。
弁護士に依頼した場合には、弁護士がプロバイダ側への連絡を代行し、回答書の作成を進めます。
回答をしないまま期限を過ぎると、意見の提出がなかったものとして手続が進むことになります。

GMOの手続の特徴(実務上の傾向)
ログの保存期間
GMOインターネットは、通信記録(ログ)の保存期間を公開していないとされています。
実務上、トレントの照会書に記載されるタイムスタンプは通信から半年〜2年程度前のものが多いとされており、GMOのケースでも、古い通信について書面が届くことがあります。
また、当事務所の弁護士が過去に開示請求をした際には、同社の代理人から、「契約終了後も何年か情報を保存している」と回答されたことがあります。
「利用したのはずっと前だから、もう請求は来ないだろう」という見込みは成り立ちにくいと考えるべきです。
保存期間が確認できない以上、目の前の1通だけでなく、過去の利用の全体像を整理した上で、複数の作品・複数の権利者からの照会が時間差で届く可能性を織り込んだ方針を立てることをお勧めします(資金面を含めた設計の考え方は、別の記事をご参照ください。)。

家族利用・解約後の対応
実際の利用者が家族である場合、書面は契約者宛てに届き、回答書の設計(利用者に関する事情をどこまで記載するか)には慎重な判断を要します。

また、GMOとくとくBBは他社回線への乗換えやWiMAXの解約などで契約が終了することの多いサービスですが、照会の対象は通信をした時点の契約者であり、解約済みでも照会書は届きます。
解約・引っ越し後に書面が届いた場合の対応は、別の記事で解説しています。

回答の判断と、その後の流れ
同意・不同意の判断基準、不同意と回答した後の手続の進み方、開示後の示談交渉と金額の考え方、損害賠償請求権の時効については、プロバイダを問わず共通ですので、それぞれ次の記事をご参照ください。
GMOのケースは、同封資料の確認に時間を要しやすい一方、期限は14日以内とされています。
書面が届いた段階で、お早めにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
- GMOとくとくBBを契約しているのに、GMOインターネットという会社から書類が届きました。本物ですか?
-
GMOとくとくBBは、GMOインターネット株式会社が運営するサービスであり、照会書が運営会社名義で届くこと自体は不自然ではありません。
本物の照会書は回答書の提出を求めるものであり、金銭の支払いを求めるものではありません。金銭の振込を要求する書面は詐欺を疑ってください。
- 「契約者情報開示に関する照会書」という書面は、意見照会書とは違うものですか?
-
名称は異なりますが、権利者からの開示請求についてあなたの意見を確認するという性質は、他社の「発信者情報開示に係る意見照会書」と同じです。
回答期限内に対応が必要である点も変わりません。 - 申立書に大量のIPアドレスが載っています。全部自分のものなのですか?
-
そうとは限りません。
権利者側の申立ては多数の契約者の通信をまとめて対象としていることがあり、目録にはあなた以外の通信も含まれている場合があります。
あなたに関係するのは、照会書本体で特定されているタイムスタンプと対象ファイルです。切り分けに迷う場合は、書面一式を持ってご相談ください。
- ドコモ光でGMOとくとくBBを使っています。どちらから届くのですか?
-
契約者情報を保有しているのはプロバイダであるため、プロバイダがGMOとくとくBBであれば、照会書はGMOインターネット名義で届くのが通常です。
ドコモ名義で届いた場合の対応は、別の記事で解説しています。 - 家族が使っていた場合は、どうすればよいですか?
-
実際の利用者が家族であっても、書面は契約者宛てに届き、回答書の設計には慎重な判断を要します。
家族が利用していた場合の考え方は、関連記事で詳しく解説していますので、提出前にご相談ください。 - GMOのログは、いつまで残っているのですか?
-
保存期間は公開されていないとされています。
過去には、契約終了後何年か保存していると回答されたこともあります。
実務上、通信から半年〜2年程度前のタイムスタンプの照会が多いとされており、古い通信についても照会が届き得る前提で、過去の利用の全体像を整理しておくことをお勧めします。 - GMOとくとくBBは解約したのに届きました。なぜですか?
-
照会の対象は、通信をした時点の契約者だからです。
解約後もプロバイダは一定期間、通信記録と契約者情報を保有しており、解約済みの元契約者にも照会書は届きます。解約・引っ越し後に届いた場合の対応は、別の記事で解説しています。
まとめ
GMOとくとくBBの契約でトレントの照会書が届いた場合の固有のポイントは、①差出人が運営会社の「GMOインターネット株式会社」名義であり、書面名も「契約者情報開示に関する照会書」等とされる場合があるため、見慣れない書面でも放置しないこと、②裁判所への申立てを経ている形式が多い印象とされ、開示後の示談まで見据えた早期の方針が必要であること、③同封の申立書の目録に記載された大量のIPアドレスのすべてが自分の通信とは限らず、自分に関係する部分の正確な切り分けが第一歩であること、の3点です。
回答期限は14日以内とされ、資料の確認に時間を要するケースほど残り時間は少なくなります。
当事務所では、GMOインターネットからの照会書について、同封資料の読み解きから回答書の作成、その後の示談交渉まで一貫して対応しています。
書面の内容に不安を感じた段階で、お早めにご相談ください。
トレントに関するご相談はこちらから
弊所の弁護士へのご相談等はこちらから