【この記事の結論・要約】
- auひかりを、BIGLOBEをプロバイダとして契約している場合、意見照会書はKDDIではなくビッグローブ株式会社の名義で届くのが通常です。「auと契約したはずなのに、知らない会社から書類が届いた」と誤解して放置しないことが、まず重要です。
- BIGLOBEのトレント案件は、裁判所への申立てを経ているケースが多い印象があるとされています。不同意と回答しても開示に至る可能性を前提に、開示後の示談交渉まで見据えた方針を立てる必要があります。
- BIGLOBEのログ保存期間は公開されていません。固定回線系のプロバイダは保存期間が長い傾向にあるとされており、古い通信への照会や、複数の権利者からの請求が時間差で届く可能性を織り込んだ設計が必要です。
はじめに
「BIGLOBEから『発信者情報開示に係る意見照会書』が届いた。トレントを使った心当たりがある」 「自分はauひかりの契約のはずなのに、なぜビッグローブという会社から書類が届いたのか」
BIGLOBE(ビッグローブ株式会社)は、国内で長い歴史を持つ大手プロバイダであり、トレント(BitTorrent)の著作権侵害に関する意見照会書の差出人として、ご相談の多い事業者の一つとされています。
BIGLOBEのケースで特徴的なのは、auひかりのプロバイダとしてBIGLOBEを利用している方が多く、「回線の契約先」と「書類の差出人」が一致しないために、受取人が戸惑いやすいという点です。
本記事では、BIGLOBEから意見照会書が届いた場合に固有の実務を解説します。
意見照会書そのものの意味や回答の判断基準については、別の記事をご参照ください。

BIGLOBEから意見照会書が届くのは、どの契約か
BIGLOBE名義の意見照会書は、次のような契約について届き得ます。
- ビッグローブ光を契約している場合
- auひかりを、BIGLOBEをプロバイダとして契約している場合
- BIGLOBEモバイル(格安SIM)を契約している場合
このうち特に注意が必要なのが、auひかり×BIGLOBEの組合せです。
auひかりは、回線をKDDIが提供し、プロバイダをau one net・BIGLOBE・So-net・@niftyなどから選択する方式です。契約者情報を保有しているのはプロバイダであるため、プロバイダとしてBIGLOBEを選択している場合、意見照会書はKDDIではなくBIGLOBE名義で届くのが通常です。
「auひかりを契約した」という認識の方にとって、BIGLOBEは契約時に選んだきり意識していない会社であることが少なくありません。
見覚えのない会社名だからといって詐欺と決めつけ、開封しないまま放置することは避けてください。
なお、BIGLOBEはKDDIグループの事業者ですが、照会の名義はKDDIとは別です。
KDDI名義(au one netやauのスマートフォン回線など)で届いた場合の対応は、別の記事で解説しています。

書面の確認
書面が届いたら、まず次の2点を確認してください。
第一に、対象となっている通信の内容です。
書面に記載された対象ファイル名・通信日時・IPアドレスを確認し、ご自身(またはご家族)の当時の利用状況と照らし合わせてください。
第二に、手続のルートです。
書面や同封資料に裁判所への申立てに関する記載があるかどうかにより、裁判所の開示命令申立てを経ているのか、裁判外の任意開示請求なのかを確認します。
BIGLOBEのトレント案件は、裁判所への申立てを経ているケースが多い印象があるとされており、その場合、不同意と回答しても最終的に開示命令が発令されるケースが大半とされています。
したがって、「不同意で開示を防げるか」だけでなく、「開示された後の示談交渉にどう備えるか」を含めた方針を、早い段階から検討しておくことが現実的です。
手続ルート別の帰結と不同意回答後の流れは、別の記事で解説しています。


回答期限と対応
意見照会書の回答期限は、一般に受領から2週間程度とされています。
2週間という期間は、事実関係の確認(家族への確認を含みます)、回答方針の検討、回答書の作成を行うには長くありません。
期限に間に合いそうにない場合でも、放置して期限を徒過させるのではなく、期限の取扱いについて連絡・相談することが重要です。
弁護士に依頼した場合には、弁護士がプロバイダへの連絡を代行し、回答書の作成を進めます。
回答をしないまま期限を過ぎると、意見の提出がなかったものとして手続が進むことになります。
無視・放置のリスクについては、別の記事をご参照ください。

BIGLOBEの手続の特徴(実務上の傾向)
ログの保存期間
BIGLOBEは、通信記録(ログ)の保存期間を公開していません。
一般に、固定回線系のプロバイダは、携帯電話回線に比べてログの保存期間が長い傾向にあるとされています。
保存期間が長いということは、「利用したのはずっと前だから、もう請求は来ないだろう」という見込みが成り立ちにくく、複数の作品・複数の権利者からの照会が、時間差で届き得るということでもあります。
目の前の1通だけでなく、過去の利用の全体像を整理した上で、今後の請求の可能性を織り込んだ方針を立てることをお勧めします(資金面を含めた設計の考え方は、別の記事をご参照ください。)。

解約・乗換え後でも届く
ビッグローブ光などの光コラボレーションサービスは、引っ越しや他社への乗換えの際に解約されることの多い契約です。
このため、「BIGLOBEはすでに解約したのに、意見照会書が届いた」というケースが起こり得ます。
照会の対象は、通信をした時点の契約者です。解約後もプロバイダは一定期間、通信記録と契約者情報を保有しており、解約済みの元契約者に対しても意見照会書は届きます。
特に引っ越しを伴う解約では、書面が旧住所宛てに発送され、本人が気づかないまま回答期限が過ぎる事態も起こり得ます。
解約後・引っ越し後に書面が届いた(届いていた)場合の対応は、別の記事で詳しく解説しています。

回答の判断と、その後の流れ
同意・不同意の判断基準、不同意と回答した後の手続の進み方、開示後の示談交渉と金額の考え方、損害賠償請求権の時効については、プロバイダを問わず共通ですので、それぞれ次の記事をご参照ください。
BIGLOBEのケースは、裁判所ルートが多い印象とされる以上、開示後の展開までを見据えた設計が早期に必要です。
書面が届いた段階で、お早めにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
- auひかりを契約しているのに、BIGLOBEから意見照会書が届きました。なぜですか?
-
auひかりは、回線をKDDIが提供し、プロバイダを複数の事業者から選択する方式です。
プロバイダとしてBIGLOBEを選択している場合、契約者情報を保有しているのはBIGLOBEであるため、意見照会書はBIGLOBE名義で届くのが通常です。契約時の書類やマイページで、ご自身のプロバイダを確認してみてください。
- KDDIとBIGLOBE、どちらから届くのですか?
-
どの契約の通信が対象かによって異なります。
au one netやauのスマートフォン回線に関する照会はKDDI名義で、BIGLOBEをプロバイダとする契約に関する照会はBIGLOBE名義で届くのが通常です。
BIGLOBEはKDDIグループの事業者ですが、照会の名義は別です。 - BIGLOBEモバイル(格安SIM)の契約でも届くのですか?
-
届き得ます。
スマートフォン回線を通じた通信(テザリングによるパソコンの接続を含みます)が対象となっている可能性がありますので、書面に記載された通信日時の利用状況を確認してください。
- BIGLOBEは解約したのに届きました。なぜですか?
-
照会の対象は、通信をした時点の契約者だからです。
解約後もプロバイダは一定期間、通信記録と契約者情報を保有しており、解約済みの元契約者にも意見照会書は届きます。
解約は回答しなくてよい理由にはなりません。 - 家族が使っていた場合は、どうすればよいですか?
-
実際の利用者が家族であっても、書面は契約者宛てに届き、回答書の設計(利用者に関する事情をどこまで記載するか)には慎重な判断を要します。
家族が利用していた場合の考え方は、関連記事で詳しく解説していますので、提出前にご相談ください。 - BIGLOBEのログは、いつまで残っているのですか?
-
保存期間は公開されていません。
一般に固定回線系のプロバイダは保存が長い傾向にあるとされており、古い通信についても照会が届き得る前提で、過去の利用の全体像を整理しておくことをお勧めします。
- 回答期限に間に合いそうにありません。どうすればよいですか?
-
放置して期限を徒過させることは避けてください。
期限の取扱いについての連絡・相談も含めて、弁護士が対応を代行できますので、間に合わないと思った時点でご相談ください。
まとめ
BIGLOBEから意見照会書が届いた場合の固有のポイントは、①auひかりのプロバイダとしてBIGLOBEを利用している場合、書類はKDDIではなくBIGLOBE名義で届くのが通常であり、見覚えのない差出人でも放置しないこと、②裁判所への申立てを経ているケースが多い印象とされ、開示後の示談まで見据えた早期の方針が必要であること、③ログ保存期間は非公開ながら固定回線系は保存が長い傾向とされ、複数請求を織り込んだ設計が必要であること、の3点です。
解約・乗換え後でも照会は届くこと、BIGLOBEモバイルの契約でも対象となり得ることも、あわせて押さえてください。
当事務所では、BIGLOBEからの意見照会書について、書面の確認から回答書の作成、その後の示談交渉まで一貫して対応しています。
回答書を提出する前に、お早めにご相談ください。
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