楽天モバイル・楽天ひかりの契約でトレントの意見照会書が届いた方へ|弁護士が対応を解説

目次

【この記事の結論・要約】

  1. 楽天ひかりは楽天モバイル株式会社が提供するサービスであり、光回線の契約であっても、意見照会書は「楽天モバイル株式会社」の名義で届くと考えられます。「ひかりの契約なのにモバイルの会社から届いた」という違和感から詐欺と即断し、放置しないことがまず重要です。
  2. 固定回線だけでなく、楽天モバイルのスマートフォン回線を通じた通信(テザリングによるパソコンの接続を含みます)も、照会の対象になり得ます。書面に記載された通信日時と、ご自身・ご家族の利用状況を照らし合わせて確認してください。
  3. 楽天のログ保存期間は公開されていません。一般論として、モバイル回線は保存が短い傾向、固定回線は長い傾向にあるとされますが、確定的な期間を前提にした判断は避け、過去の利用の全体像と複数請求の可能性を織り込んだ方針を立てる必要があります。

はじめに

「楽天モバイル株式会社から『発信者情報開示に係る意見照会書』という書類が届いた。トレントを使った心当たりがある」 「契約しているのは楽天ひかりなのに、なぜ楽天モバイルという会社から届いたのか」

楽天モバイル・楽天ひかりは、楽天グループの通信サービスとして広く契約されており、トレント(BitTorrent)の著作権侵害に関する意見照会書の差出人となり得る事業者です。

楽天のケースでは、サービスのブランド名(楽天ひかり)と提供会社の名称(楽天モバイル株式会社)が一致しないために、受取人が戸惑いやすいという特徴があります。

本記事では、楽天の通信サービスに関する意見照会書が届いた場合に固有の確認事項を解説します。
意見照会書そのものの意味や回答の判断基準については、別の記事をご参照ください。

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楽天から意見照会書が届くのは、どの契約か

楽天モバイル株式会社名義の意見照会書は、次のような契約について届き得ます。

  • 楽天ひかり(NTT回線を利用した光コラボレーションサービス)を契約している場合
  • 楽天モバイル(スマートフォン回線)を契約している場合
  • Rakuten Turbo(ホームルーター)を契約している場合

楽天ひかりは、名称に「モバイル」とは入っていませんが、楽天モバイル株式会社が提供するサービスです。
このため、光回線の契約者宛ての意見照会書も、楽天モバイル株式会社の名義で届くと考えられます。
「ひかりを契約しているのに、モバイルの会社から書類が来た」という違和感は、それ自体は不自然なものではありません。
見慣れない名義だからといって詐欺と決めつけ、開封しないまま放置することは避けてください。

また、「固定回線は契約していないのに届いた」という方は、楽天モバイルのスマートフォン回線を通じた通信(テザリングによるパソコンの接続を含みます)が対象となっている可能性があります。
書面に記載された通信日時・IPアドレスと、ご自身(またはご家族)の利用状況を照らし合わせて確認してください。

書面の確認

書面が届いたら、まず次の2点を確認してください。

第一に、対象となっている通信の内容です。
書面に記載された対象ファイル名・通信日時・IPアドレスを確認し、当時の利用状況と照らし合わせてください。

第二に、手続のルートです。
書面や同封資料に裁判所への申立てに関する記載があるかどうかにより、裁判所の開示命令申立てを経ているのか、裁判外の任意開示請求なのかを確認します。
どちらのルートかによって、不同意と回答した場合のその後の展開が異なります。

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回答期限と対応

意見照会書の回答期限は、一般に受領から1〜2週間程度とされています。

この期間で、事実関係の確認(家族への確認を含みます)、回答方針の検討、回答書の作成を行うことになります。
期限に間に合いそうにない場合でも、放置して期限を徒過させるのではなく、期限の取扱いについて連絡・相談することが重要です。
弁護士に依頼した場合には、弁護士がプロバイダへの連絡を代行し、回答書の作成を進めます。

回答をしないまま期限を過ぎると、意見の提出がなかったものとして手続が進むことになります。
無視・放置のリスクについては、別の記事をご参照ください。

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楽天のケースで確認すべきこと

ログの保存期間

楽天モバイル株式会社は、通信記録(ログ)の保存期間を公開していません。

一般論として、モバイル回線のログは保存期間が短い傾向、固定回線系は長い傾向にあるとされています。
楽天の場合、対象がスマートフォン回線か楽天ひかりかによって、この一般論の当てはまりも変わり得ます。

もっとも、いずれの場合も、確定的な保存期間を前提にした判断(「もうすぐログが消えるから大丈夫」といった見込み)は避けるべきです。
権利者側がすでに手続に着手している通信については、その後に書面が届くことがありますし、トレントの事案では複数の作品・複数の権利者からの照会が時間差で届くことが少なくありません。
目の前の1通だけでなく、過去の利用の全体像を整理した上で、今後の請求の可能性を織り込んだ方針を立てることをお勧めします(資金面を含めた設計の考え方は、別の記事をご参照ください。)。

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スマホ回線・テザリングと家族利用の確認

楽天のケースでは、固定回線だけでなくスマートフォン回線の通信が対象となっている可能性があるため、事実確認の範囲が広がります。

確認すべきは、①ご自身のパソコンでのトレント利用、②スマートフォンのテザリングを経由したパソコンの利用、③同居のご家族による利用(自宅の楽天ひかりのWi-Fi、または家族のスマートフォンのテザリング)です。契約者であるあなたに心当たりがなくても、書面に記載された通信日時を手がかりに、ご家族の利用の可能性まで確認してください。

実際の利用者が家族である場合の責任の整理と回答書の設計については、別の記事で詳しく解説しています。

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回答の判断と、その後の流れ

同意・不同意の判断基準、不同意と回答した後の手続の進み方、開示後の示談交渉と金額の考え方、損害賠償請求権の時効については、プロバイダを問わず共通ですので、それぞれ次の記事をご参照ください。

いずれの判断をする場合でも、期限内に事実確認と方針決定を行う必要があります。
書面が届いた段階で、お早めにご相談ください。

よくある質問(FAQ)

楽天ひかりを契約しているのに、楽天モバイル株式会社から書類が届きました。本物ですか?

楽天ひかりは楽天モバイル株式会社が提供するサービスであり、光回線の契約に関する照会書が同社名義で届くこと自体は不自然ではありません。
本物の意見照会書は回答書の提出を求めるものであり、金銭の支払いを求めるものではありません。

金銭の振込を要求する書面は詐欺を疑ってください。

楽天モバイルのスマホしか契約していないのに、意見照会書が届きました。なぜですか?

スマートフォン回線を通じた通信(テザリングによるパソコンの接続を含みます)が対象となっている可能性があります。
書面に記載された通信日時に、ご自身またはご家族がスマートフォンの回線経由でトレントを利用していなかったかを確認してください。

Rakuten Turbo(ホームルーター)の契約でも届くのですか?

届く可能性があります。

ホームルーターを通じた通信が対象となっている可能性がありますので、書面に記載された通信日時の利用状況を確認してください。

楽天は解約したのに届きました。なぜですか?

照会の対象は、通信をした時点の契約者だからです。

解約後もプロバイダは一定期間、通信記録と契約者情報を保有しており、解約済みの元契約者にも意見照会書は届きます。
解約・引っ越し後に書類が届いた場合の対応は、別の記事で解説しています。

家族が使っていた場合は、どうすればよいですか?

実際の利用者が家族であっても、書面は契約者宛てに届き、回答書の設計(利用者に関する事情をどこまで記載するか)には慎重な判断を要します。
家族が利用していた場合の考え方は、関連記事で詳しく解説していますので、提出前にご相談ください。

楽天のログは、いつまで残っているのですか?

保存期間は公開されていません。

一般論として、モバイル回線は保存が短い傾向、固定回線は長い傾向にあるとされますが、確定的な期間を前提にせず、過去の利用の全体像を整理した上で方針を立てることをお勧めします。

回答期限に間に合いそうにありません。どうすればよいですか?

放置して期限を徒過させることは避けてください。
期限の取扱いについての連絡・相談も含めて、弁護士が対応を代行できますので、間に合わないと思った時点でご相談ください。

まとめ

楽天モバイル・楽天ひかりの契約でトレントの意見照会書が届いた場合の固有のポイントは、①楽天ひかりの契約でも差出人は楽天モバイル株式会社名義となると考えられ、見慣れない名義でも放置しないこと、②固定回線だけでなくスマートフォン回線・テザリングの通信も対象になり得るため、事実確認の範囲を広く取ること、③ログ保存期間は非公開であり、確定的な期間を前提にせず、複数請求の可能性を織り込んだ方針を立てること、の3点です。

当事務所では、楽天の通信サービスに関する意見照会書について、書面の確認から回答書の作成、その後の示談交渉まで一貫して対応しています。
回答書を提出する前に、お早めにご相談ください。

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この記事を書いた人

髙田法律事務所の弁護士。東京弁護士会所属 登録番号60427
インターネットの誹謗中傷や離婚、債権回収、刑事事件やその他、様々な事件の解決に携わっている。
最新のビジネスや法改正等についても日々研究を重ねている。

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