【この記事の結論・要約】
- So-net・NURO光の意見照会書は、回答期限が受領日から1週間以内とされる場合があり、一般的な2週間程度より短いことがあります。書面が届いたその日から、期限の確認と対応の準備を始める必要があります。
- 書面の差出人の窓口名や期限の長さから、手続のルート(裁判所の申立てを経ているか、裁判外の任意開示請求か)を推測できる場合があるとされています。ルートによって不同意回答後の展開が異なるため、書面の確認が対応方針の出発点になります。
- 数年前の通信について書面が届く例が報告されており、「古い利用だから、もう請求は来ない」という見込みは成り立ちません。過去の利用の全体像を整理した上で、複数の請求が届く可能性を織り込んだ方針を立てることが必要です。
はじめに
「So-netから『発信者情報開示に係る意見照会書』が届いた。回答期限を見ると、1週間しかない」 「NURO光を契約しているが、ソニーネットワークコミュニケーションズという会社から書類が届いた。関係があるのか」
So-net・NURO光は、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供するインターネット接続サービスであり、トレント(BitTorrent)の著作権侵害に関する意見照会書の差出人として、ご相談の多い事業者の一つです。
同社のケースで特に注意が必要なのは、回答期限が1週間とされる場合があることです。
一般的な2週間程度を想定してゆっくり構えていると、確認や準備の時間が足りなくなります。
本記事では、So-net・NURO光から意見照会書が届いた場合に固有の実務を解説します。
意見照会書そのものの意味や回答の判断基準については、別の記事をご参照ください。


So-net・NURO光から意見照会書が届くのは、どの契約か
ソニーネットワークコミュニケーションズ名義の意見照会書は、次のような契約について届き得ます。
- So-net光を契約している場合
- NURO光を契約している場合
- NUROモバイル(格安SIM)を契約している場合
- auひかりを、So-netをプロバイダとして契約している場合
So-netとNURO光は、ブランドは異なりますが、いずれもソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供するサービスです。
「NURO光の契約なのに、So-netの運営会社から書類が届いた」という状況は、それ自体は不自然ではありません。
見慣れない会社名だからといって詐欺と決めつけ、開封しないまま放置することは避けてください。
なお、auひかりのプロバイダ選択でSo-netを利用している場合、契約者情報を保有しているのはSo-netであるため、意見照会書は同社名義で届くのが通常です。
回線契約(KDDI)と書類の差出人が一致しない構造については、別の記事でも解説しています。

書面の確認
意見照会書への対応では、手続のルート、すなわち裁判所の発信者情報開示命令申立てを経ているのか、裁判外の任意開示請求(テレサ書式)なのかの確認が出発点になります。
ルートによって、不同意と回答した場合のその後の展開が異なるためです。


ソニーネットワークコミュニケーションズの場合、書面の差出人となっている窓口の名称から、ルートを推測できる場合があるとされています。
訴訟・係争への対応を扱う窓口名であれば裁判所の申立てを経たケース、情報流通プラットフォーム対処法の申立てに関する窓口名であれば任意開示請求のケース、という傾向があります(窓口の名称や体制は変更され得ます)。
また、回答期限の長さもルートの手がかりになるとされ、期限が1週間の場合は任意開示請求、2週間の場合は裁判所の申立てを経ている可能性が高い、という傾向があるようです。
いずれも確定的な判別方法ではないため、書面や同封資料に裁判所への申立てに関する記載があるかどうかとあわせて確認し、判断がつかない場合は書面一式を持って弁護士にご相談ください。
回答期限が1週間の場合がある
ソニーネットワークコミュニケーションズの意見照会書は、回答書の提出期限が受領日から1週間以内とされる場合があるようです。
また、期限内に回答できない場合には、その理由を知らせるものとされています。
1週間という期間で、事実関係の確認(家族への確認を含みます)、手続ルートの確認、回答方針の決定、回答書の作成をすべて行うのは、容易ではありません。
他社の感覚で「2週間あるだろう」と考えて数日置いてしまうと、実質的な準備期間はほとんど残りません。
書面が届いたら、当日中に次の3点を行ってください。
- 回答期限の日付を確認する
- 対象ファイル名・通信日時を確認し、利用の心当たり(家族を含む)を確認する
- 期限が1週間の場合は、その時点で弁護士への相談を申し込む
期限に間に合いそうにない場合でも、放置して期限を徒過させるのではなく、理由の連絡を含めた期限の取扱いの相談が必要です。
弁護士が連絡を代行し、回答書の作成を並行して進めることもできますので、間に合わないと判断する前にご相談ください。
So-net・NURO光の手続の特徴(実務上の傾向)
契約者以外の利用者からの回答を受領するスタンスとされる
ソニーネットワークコミュニケーションズは、実際のトレント利用者が契約者以外である場合、その利用者からの回答を受領するスタンスをとっているとされています。
これは、契約者以外の利用者の意見も照会する記載が置かれる場合があるとされるKDDIと同様の方向であり、契約者以外の者からの回答は受領しない運用とされるNTTドコモ・ソフトバンクとは対照的です。


ご家族が利用していたケースでは、利用者本人の名義での回答という選択肢があり得ることになりますが、家族の情報をどこまで記載するかは、その後の損害賠償請求や刑事上の問題にも関わる慎重な判断を要します。
家族が利用していた場合の考え方は、別の記事で詳しく解説しています。

ログの保存期間と、数年前の通信への照会
ソニーネットワークコミュニケーションズのログの保存期間について、確定的な公開情報はありません。
実務情報としては、保存期間を半年や1年程度とする紹介がある一方で、3〜4年程度前の通信に関する意見照会書が届いた例も報告されており、情報が分かれています。
この食い違いは、権利者側の申立てにより通信記録の保全(消去禁止)がなされた上で、申立てから意見照会書の送付までに長期間を要する場合があるとされることによって、説明が可能です。
つまり、通常のログ保存期間が過ぎていても、権利者側がすでに手続に着手していれば、数年後に書面が届くことがあり得るのです。
「利用したのは何年も前だから、もう来ない」という見込みは成り立ちません。
届いた1通だけでなく、過去の利用の全体像を整理し、今後さらに別の照会が届く可能性を織り込んだ方針を立ててください(解約・引っ越し後に届いた場合の対応、複数請求を見込んだ資金設計は、それぞれ別の記事をご参照ください。)。


回答の判断と、その後の流れ
同意・不同意の判断基準、不同意と回答した後の手続の進み方、開示後の示談交渉と金額の考え方、損害賠償請求権の時効については、プロバイダを問わず共通ですので、それぞれ次の記事をご参照ください。
So-net・NURO光のケースは、期限が1週間の場合があるため、判断に使える時間が他社より短いことを前提に、書面が届いたその日のうちに動き始めることをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
- NURO光の契約なのに、ソニーネットワークコミュニケーションズという会社から届きました。本物ですか?
-
NURO光はソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供するサービスであり、同社名義で届くこと自体は不自然ではありません。
本物の意見照会書は回答書の提出を求めるものであり、金銭の支払いを求めるものではありません。
金銭の振込を要求する書面は詐欺を疑ってください。 - 回答期限が1週間しかありません。間に合わない場合はどうすればよいですか?
-
放置して期限を徒過させることは避けてください。
期限内に回答できない場合にはその理由を知らせるものとされており、期限の取扱いの連絡・相談を含めて弁護士が対応を代行できます。
期限が1週間の書面は、届いた当日のご相談をお勧めします。 - 封筒や書面の窓口名で、何が分かるのですか?
-
差出人となっている窓口の名称から、裁判所の申立てを経たケースか、裁判外の任意開示請求かを推測できる場合があるとされています。
ただし確定的な判別方法ではなく、窓口の名称や体制は変更され得るため、同封資料の記載とあわせて確認し、判断がつかない場合はご相談ください。 - 3〜4年前の利用について書面が届きました。こんなに経ってから来るものですか?
-
あり得ます。
権利者側の手続によって通信記録が保全された上で、申立てから書面の送付までに長期間を要する場合があるとされており、数年前の通信に関する照会が届いた例も報告されています。
古い利用についても、放置してよいことにはなりません。 - 家族が使っていた場合、家族が回答できるのですか?
-
ソニーネットワークコミュニケーションズは、契約者以外の利用者からの回答を受領するスタンスをとっているとされています。
ただし、家族の情報をどこまで記載するかは、その後の損害賠償請求や刑事上の問題にも関わる慎重な判断を要しますので、提出前にご相談ください。 - ログはいつまで残っているのですか?
-
確定的な公開情報はありません。保存期間を半年や1年程度とする紹介がある一方、数年前の通信への照会例も報告されています。
保存期間の見込みに頼らず、過去の利用の全体像を整理した上で方針を立てることをお勧めします。 - 法人契約なのに、意見照会がないまま開示された旨の通知が届きました。
-
法人向けサービスでは、意見照会を経ずに開示される場合があるとされています。
開示後は権利者側からの連絡に備える局面になりますが、慌てて言われるままの条件で示談する必要はありません。
開示された後の対応と示談交渉の考え方は関連記事で解説していますので、通知が届いた段階でご相談ください。
まとめ
So-net・NURO光から意見照会書が届いた場合の固有のポイントは、①回答期限が1週間とされる場合があり、届いた当日から動く必要があること、②窓口名や期限の長さから手続ルートを推測できる場合があるとされること、③契約者以外の利用者からの回答を受領するスタンスとされ、家族利用時の回答の選択肢が広い一方で記載内容の設計が重要になること、④数年前の通信への照会例が報告されており、古い利用でも届く前提の方針が必要であること、の4点です。
期限の短さを踏まえると、同社からの書面は、他社にも増して初動の速さが結果を左右します。
当事務所では、So-net・NURO光からの意見照会書について、書面の確認から回答書の作成、その後の示談交渉まで一貫して対応しています。
期限が迫っている方も、まずはその旨をお伝えの上、お早めにご相談ください。
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