KDDI(au)から「発信者情報の開示等に係る意見照会書」が届いた方へ|書面の特徴・回答期限を弁護士が解説

目次

【この記事の結論・要約】

  1. KDDIの意見照会書は「発信者情報の開示等に係る意見照会書」という名称で届くとされ、権利者側の申立書の抜粋が同封されるとされています。まず、同封資料の記載と案件管理番号から、対象となっている通信と手続のルートを確認してください。
  2. KDDIの書面には問い合わせ先の電話番号の記載がなく、メールフォームまたは郵送での問い合わせが指定されるとされています。確認のやり取りに時間を要しやすいため、回答期限(2週間程度)から逆算して、早めに対応に着手する必要があります。
  3. 開示に同意するか否かの判断基準、示談交渉や時効の考え方は、プロバイダを問わず共通です。本記事はKDDI固有の実務に絞って解説し、共通の論点は各記事へのリンクでご案内します。

はじめに

「KDDIから『発信者情報の開示等に係る意見照会書』という書類が届いた。トレントを使った心当たりがある」 「auのスマホしか契約していないのに、なぜKDDIからこのような書類が届いたのか」

KDDIは、auブランドの携帯電話回線とauひかり等の固定回線を提供する大手通信事業者であり、トレント(BitTorrent)の著作権侵害に関する意見照会書の差出人として、ご相談の多いプロバイダの一つです。

意見照会書への対応の基本(同意・不同意の判断、無視した場合のリスク)はどのプロバイダでも共通ですが、書面の名称や同封資料、問い合わせ方法には、プロバイダごとの違いがあります。
KDDIには、後述のとおり、問い合わせ窓口の面で自力対応の負担が大きくなりやすいという特徴があります。

本記事では、KDDIから意見照会書が届いた場合に固有の実務を解説します。
意見照会書そのものの意味や回答の判断基準については、別の記事をご参照ください。

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KDDI・auから意見照会書が届くのは、どの契約か

KDDI名義の意見照会書は、次のような契約について届き得ます。

  • auひかりを、au one netをプロバイダとして契約している場合
  • au・UQ mobile・povoなど、KDDIのスマートフォン回線の契約(スマートフォンのテザリング経由でトレントを利用した場合を含みます)
  • KDDIが提供するホームルーター等、その他の通信サービス

「固定回線は契約していないのに届いた」という方は、スマートフォンのテザリングや、モバイル回線経由での利用が対象となっている可能性があります。
書面に記載された通信日時・IPアドレスと、ご自身(またはご家族)の利用状況を照らし合わせて確認してください。

なお、auひかりは、au one netのほかにBIGLOBE・So-net・@niftyなど複数のプロバイダから選択する方式です。
他社プロバイダを選択している場合、意見照会書は当該プロバイダから届くのが通常です。
BIGLOBEはKDDIグループの事業者ですが、照会はBIGLOBE名義で届くのが通常であり、その場合の固有の注意点は以下の記事をご確認ください。

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差出人がどの事業者かを、まず封筒と書面で確認してください。

書面の確認|同封資料と案件管理番号

KDDIの意見照会書は、「発信者情報の開示等に係る意見照会書」という名称で届くとされています。
また、権利者側が裁判所に提出した申立書の抜粋が同封されるとされており、そこに対象ファイル名や通信日時などの情報が記載されています。
まずはこの同封資料から、どの通信が問題とされているのかを確認してください。

書面には、案件を特定するための管理番号が記載されているとされています。
プロバイダへの問い合わせや、弁護士への相談の際には、この番号によって案件を特定できるため、書面一式は破棄せずに保管してください

また、同封された申立書の抜粋に裁判所への申立てに関する記載があるかどうかは、手続のルート(裁判所の開示命令申立てを経ているか、裁判外の任意開示請求か)を確認する手がかりになります。
どちらのルートかによって不同意回答後の展開が異なる点は、別の記事で解説しています。

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回答期限と、問い合わせ方法の注意

KDDIの意見照会書の回答期限は、2週間程度とされています

KDDIの書面には問い合わせ先の電話番号の記載がなく、問い合わせはメールフォームまたは郵送によるものと指定されるとされています。
電話で即時に確認できるプロバイダと異なり、質問への回答を待つ時間が発生しやすいため、書面の内容に不明点がある場合には、期限から逆算して早めに動く必要があります。

「問い合わせの回答を待っていたら期限が近づいてしまった」という事態を避けるためにも、書面が届いた段階で弁護士に相談し、プロバイダへの確認と回答書の作成を並行して進めることをお勧めします。
回答をしないまま期限を過ぎると、意見の提出がなかったものとして手続が進むことになります。

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KDDIの手続の特徴(実務上の傾向)

ログの保存期間は非公開とされている

一般的なプロバイダのログ保存期間は3か月から6か月程度とされています。
KDDIは、通信記録(ログ)の保存期間を公開していないとされています。

ログの保存期間は、今後さらに別の照会が届く可能性がいつまで続くのかの見通しに関わる情報です。
保存期間が公開されていない以上、「もう請求は来ないだろう」という見込みを立てにくいため、過去の利用の全体像を整理した上で、複数の請求が届く可能性を織り込んだ方針を立てることが、KDDIのケースでは特に重要になります。

契約者以外の利用者の意見に関する記載

KDDIの意見照会の書式には、実際の発信者が契約者ではなく家族や友人である場合には、その者の意見も照会したい旨の記載が置かれる場合があるとされています。

これは、契約者以外の者からの回答は受領しない運用をとっているとされるNTTドコモとは対照的な取扱いです。

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ご家族が利用していたケースでは、誰の名義で、利用者に関する事情をどこまで記載するかという回答書の設計が、その後の展開を左右します。
家族が利用していた場合の考え方は、別の記事で詳しく解説しています。

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回答の判断と、その後の流れ

同意・不同意の判断基準、不同意と回答した後の手続の進み方、開示後の示談交渉と金額の考え方、損害賠償請求権の時効については、プロバイダを問わず共通ですので、それぞれ次の記事をご参照ください。

いずれの判断をする場合でも、2週間程度の期限内に方針を固める必要があります。
問い合わせに時間を要しやすいKDDIの場合は、特に早めのご相談をお勧めします。

よくある質問(FAQ)

au・UQ mobile・povoのスマホしか契約していないのに、意見照会書が届きました。なぜですか?

スマートフォン回線を通じた通信(テザリングによるパソコンの接続を含みます)が対象となっている可能性があります。
書面に記載された通信日時に、ご自身またはご家族がスマートフォンの回線経由でトレントを利用していなかったかを確認してください。

auショップや157(auの窓口)に問い合わせてもよいですか?

意見照会書に関する問い合わせは、書面で指定された方法(メールフォームまたは郵送とされています)で行うのが原則です。
auショップや一般の契約窓口では、開示請求手続の内容を把握していないのが通常であり、また、問い合わせの過程で不用意な説明をしてしまうリスクもあります。

問い合わせの要否や内容も含めて、先に弁護士に相談することをお勧めします。

書面に記載されている番号は何ですか?

案件を特定するための管理番号とされています。
プロバイダへの問い合わせや弁護士への相談の際に案件の特定に用いることができますので、書面一式は保管しておいてください。

auを解約すれば、手続は止まりますか?

止まりません。

照会の対象は通信をした時点の契約者であり、解約後もKDDIは一定期間、通信記録と契約者情報を保有しています。
解約・引っ越し後に書類が届いた場合の対応は、別の記事で解説しています。

家族が使っていた場合、家族の意見はどう伝えるのですか?

KDDIの書式には、契約者以外の利用者の意見も照会したい旨の記載が置かれる場合があるとされています。
ただし、家族の情報をどこまで記載するかは、その後の損害賠償請求や刑事上の問題にも関わる慎重な判断を要しますので、提出前にご相談ください。

KDDIは、どのような情報を開示するのですか?

開示に同意した場合や裁判所の開示命令が発令された場合、KDDIが保有する契約者の氏名・住所・電話番号などの情報が権利者側に開示されることになります。

届いた書面が本物かどうか、確認する方法はありますか?

本物の意見照会書は、回答書の提出を求めるものであり、金銭の支払いを求めるものではありません。
書面上で金銭の振込を要求している場合は、詐欺を疑ってください。

真偽の判断がつかない場合は、書面一式を持参してのご相談も可能です。

まとめ

KDDIから意見照会書が届いた場合の固有のポイントは、①「発信者情報の開示等に係る意見照会書」という名称で、申立書の抜粋が同封されるとされること、②問い合わせが電話ではなくメールフォーム・郵送に限られるとされ、確認に時間を要しやすいこと、③ログの保存期間が非公開とされており、追加の請求の見通しを立てにくいこと、の3点です。

スマートフォン回線の契約でも届き得ること、解約しても手続は止まらないことも、あわせて押さえてください。

同意・不同意の判断や示談の進め方はプロバイダ共通ですが、KDDIの場合は問い合わせの往復に時間がかかりやすいため、期限内に方針を固めるには早めの着手が必要です。
当事務所では、KDDIからの意見照会書について、書面の確認から回答書の作成、その後の示談交渉まで一貫して対応しています。
回答書を提出する前に、お早めにご相談ください。

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この記事を書いた人

髙田法律事務所の弁護士。東京弁護士会所属 登録番号60427
インターネットの誹謗中傷や離婚、債権回収、刑事事件やその他、様々な事件の解決に携わっている。
最新のビジネスや法改正等についても日々研究を重ねている。

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