OCNから意見照会書が届いた方へ|NTTドコモ名義で届く理由とログ保存期間を弁護士が解説

目次

【この記事の結論・要約】

  1. 個人向けOCNに関する意見照会書は、事業移管により「株式会社NTTドコモ」名義(OCN権利侵害担当・仙台市の窓口)で届くとされています。「OCNしか契約していないのにドコモから届いた」「見知らぬ仙台の住所からの郵便」は、それ自体は不自然ではありません。詐欺と即断せず、書面の内容を確認してください。
  2. 回答期限は2週間程度とされ、必着の形式で設定される場合があるとされています。消印有効ではない前提で、郵送にかかる日数を逆算した早めの対応が必要です。
  3. OCNのログ保存期間は公開されていませんが、固定回線系のプロバイダは携帯電話回線より保存が長い傾向にあるとされ、半年から2年程度前の通信への照会例も報告されています。解約済みでも照会は届くため、過去の利用の全体像を整理した上で方針を立てる必要があります。

はじめに

「OCNの回線についてトレントの意見照会書が届いたが、差出人がNTTドコモになっている。OCNとは何の関係があるのか」 「OCNはとっくに解約したのに、今になって書類が届いた。本物なのか」

OCNは、国内で長い歴史を持つ大手プロバイダであり、トレント(BitTorrent)の著作権侵害に関する意見照会書の対象としても、ご相談の多いサービスの一つです。

OCNのケースには、差出人の名義がOCNではなくNTTドコモ(またはNTTドコモビジネス)となるという、他のプロバイダにはない事情があります。
組織再編を知らない受取人にとっては、「契約した覚えのない会社からの郵便」に見えるため、詐欺を疑って放置してしまう危険がある点に、まず注意が必要です。

本記事では、OCNに関する意見照会書が届いた場合に固有の実務を解説します。
意見照会書そのものの意味や回答の判断基準については、別の記事をご参照ください。

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OCNの意見照会書は、どの名義で届くのか

OCNの個人向けサービス(個人向けOCN・OCN光など)は、組織再編により、2023年にNTTドコモへ事業が移管されています。
このため、個人向けOCNやahamo光に関する意見照会書は、「株式会社NTTドコモ」の名義で、OCNの権利侵害対応を担当する窓口(仙台市に所在するとされています)から届くとされています。

また、法人向けのOCNサービスについては、NTTドコモビジネス株式会社(旧NTTコミュニケーションズ株式会社)が担当しており、法人契約に関する照会は同社名義で届くとされています。

つまり、「OCNの契約なのに、ドコモから届いた」「OCNを使っていたのに、聞いたことのない仙台の住所から郵便が来た」という状況は、それ自体は組織再編の帰結であって、不自然なものではありません。
差出人名義だけを見て詐欺と決めつけ、開封しないまま放置することは避けてください。

なお、ドコモのスマートフォン回線(ahamo・spモード)やドコモ光(ドコモnet・ぷらら)に関する照会については、別の記事で解説しています。

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本記事は、OCNブランドの契約に関する照会を対象とします。

書面の確認

書面が届いたら、まず次の2点を確認してください。

第一に、対象となっている通信の内容です。
書面に記載された対象ファイル名・通信日時・IPアドレスを確認し、ご自身(またはご家族)の当時の利用状況と照らし合わせてください
OCNのケースでは、後述のとおり通信からかなりの期間が経ってから書面が届くことがあり、記憶があいまいな場合も少なくありません。

第二に、手続のルートです。
書面や同封資料に裁判所への申立てに関する記載があるかどうかにより、裁判所の開示命令申立てを経ているのか、裁判外の任意開示請求なのかを確認します。
どちらのルートかによって、不同意と回答した場合のその後の展開が異なります。

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回答期限と対応

OCNに関する意見照会書の回答期限は、2週間程度とされています
また、NTT系のプロバイダでは、期限が必着の形式で設定される場合があるとされています。

必着形式の場合、期限当日の消印では間に合いません。
回答書の作成にかけられる実質的な日数は、郵送にかかる日数を差し引いたものになるため、見た目の期限よりも短いと考えて、早めに対応に着手してください。

期限に間に合いそうにない場合でも、放置して期限を徒過させるのではなく、期限の取扱いについて窓口に連絡・相談することが重要です。
弁護士に依頼した場合には、弁護士がプロバイダ側への連絡を代行し、回答書の作成を進めます。
回答をしないまま期限を過ぎると、意見の提出がなかったものとして手続が進むことになります。

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OCNの手続の特徴(実務上の傾向)

ログの保存期間

OCNは、通信記録(ログ)の保存期間を公開していません。

一般に、固定回線系のプロバイダは、携帯電話回線に比べてログの保存期間が長い傾向にあるとされています。
実務上も、半年から2年程度前の通信がOCN関係の照会の対象となった例が報告されており、「利用したのはずっと前だから、もう請求は来ないだろう」という見込みは成り立ちにくいと考えるべきです。

また、保存期間が長いということは、複数の作品・複数の権利者からの照会が、長期間にわたって時間差で届き得るということでもあります。
目の前の1通だけでなく、過去数年分の利用の全体像を整理した上で、今後の請求の可能性を織り込んだ方針を立てることをお勧めします(資金面を含めた設計の考え方は、別の記事をご参照ください。)。

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解約済みでも届く

OCNは、引っ越しや他社の光コラボレーションサービスへの乗換えの際に解約されることの多いプロバイダです。
このため、「OCNはすでに解約したのに、意見照会書が届いた」というご相談が少なくありません。

照会の対象は、通信をした時点の契約者です。
解約後も、プロバイダは一定期間、通信記録と契約者情報を保有しており、解約済みの元契約者に対しても意見照会書は届きます。
解約したことは、回答しなくてよい理由にはなりません。

特に注意が必要なのは、引っ越しを伴う解約のケースです。
書面が旧住所宛てに発送され、本人が気づかないまま回答期限が過ぎてしまう事態が起こり得ます。
解約後・引っ越し後に書面が届いた(届いていた)場合の対応は、別の記事で詳しく解説しています。

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回答の判断と、その後の流れ

同意・不同意の判断基準、不同意と回答した後の手続の進み方、開示後の示談交渉と金額の考え方、損害賠償請求権の時効については、プロバイダを問わず共通ですので、それぞれ次の記事をご参照ください。

OCNのケースは、古い通信が対象となることや、解約・転居をはさむことが多く、事実確認に時間を要しがちです。
必着形式の期限の可能性も踏まえ、書面が届いた段階で早めにご相談ください。

よくある質問(FAQ)

OCNはすでに解約したのに、意見照会書が届きました。なぜですか?

照会の対象は、通信をした時点の契約者だからです。
解約後もプロバイダは一定期間、通信記録と契約者情報を保有しており、解約済みの元契約者にも意見照会書は届きます。

解約は回答しなくてよい理由にはなりませんので、期限を確認の上、対応してください。

OCNの契約なのに、NTTドコモの名義で届きました。本物ですか?

個人向けOCNは2023年にNTTドコモへ事業移管されており、OCNに関する照会がNTTドコモ名義で届くこと自体は不自然ではありません。
本物の意見照会書は回答書の提出を求めるものであり、金銭の支払いを求めるものではありません。

金銭の振込を要求する書面は詐欺を疑ってください。

仙台の住所から届きましたが、本物ですか?

OCNの権利侵害対応の窓口は仙台市に所在するとされており、仙台の住所からの発送自体は不自然ではありません。
真偽の判断がつかない場合は、書面一式を持参してのご相談も可能です。

ドコモ光でプロバイダにOCNを使っています。どちらから届くのですか?

契約の形態によって異なり得ますが、OCNブランドの契約に関する照会は、OCNの権利侵害担当の窓口から届くとされています。
いずれの名義で届いた場合でも、対応の基本は変わりませんので、届いた書面の記載に沿って確認・回答を進めてください。

家族が使っていた場合は、どうすればよいですか?

実際の利用者が家族であっても、書面は契約者宛てに届き、回答書の設計(利用者に関する事情をどこまで記載するか)には慎重な判断を要します。
家族が利用していた場合の考え方は、関連記事で詳しく解説していますので、提出前にご相談ください。

OCNのログは、いつまで残っているのですか?

保存期間は公開されていません。

一般に固定回線系のプロバイダは保存が長い傾向にあるとされ、半年から2年程度前の通信への照会例も報告されています。
古い利用についても照会が届き得る前提で、過去の利用の全体像を整理しておくことをお勧めします。

期限が「必着」と書かれています。間に合わない場合はどうすればよいですか?

必着形式の場合、消印有効ではないため、郵送日数を差し引いた実質的な期限で考える必要があります。
間に合わないと思った時点で、放置せず、期限の取扱いについて窓口への連絡・相談を行ってください。

弁護士が連絡を代行することも可能ですので、お早めにご相談ください。

まとめ

OCNに関する意見照会書の固有のポイントは、①事業移管によりNTTドコモ(法人向けはNTTドコモビジネス)名義・仙台市の窓口から届くとされており、見慣れない差出人でも詐欺と即断しないこと、②回答期限が必着の形式で設定される場合があるとされ、実質的な準備期間が見た目より短いこと、③ログ保存期間は非公開ながら固定回線系は保存が長い傾向とされ、古い通信や解約済みの契約についても照会が届き得ること、の3点です。

特に、引っ越しに伴ってOCNを解約した方は、書面が旧住所に届いて気づかないリスクにも注意が必要です。

当事務所では、OCNに関する意見照会書について、書面の確認から回答書の作成、その後の示談交渉まで一貫して対応しています。解約済みの方、期限が迫っている方も、お早めにご相談ください。

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この記事を書いた人

髙田法律事務所の弁護士。東京弁護士会所属 登録番号60427
インターネットの誹謗中傷や離婚、債権回収、刑事事件やその他、様々な事件の解決に携わっている。
最新のビジネスや法改正等についても日々研究を重ねている。

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