【この記事の結論・要約】
- 「不同意性交等罪で訴える」と告げて金銭を要求する行為は、それ自体が恐喝罪にあたり得ます。相手が「同意していなかった」と述べているというだけでは、犯罪は成立しません。
- 不同意性交等罪の立証責任は検察官にあり、当時のやり取りなど客観的な証拠に照らして判断されます。法定刑の重さから「一発で実刑になる」と説明されることがありますが、この説明は正確ではありません。
- その場での支払いと書面への署名は避け、やり取りを削除せずに保存したうえで、早い段階で弁護士に相談してください。
はじめに
「合意の上でホテルに行ったはずなのに、後から相手が態度を変え、『不同意性交等罪で訴える』と告げてきた」という相談が寄せられています。
マッチングアプリやSNSで知り合った相手との性的な関係をめぐり、事後になって示談金を要求される事案は、いわゆる「美人局(つつもたせ)」の一類型として、近年報道でも取り上げられるようになりました。
本記事は、こうした請求を受けている側を対象に、脅し文句の法的な意味と、とるべき対応を解説するものです。
なお、風俗店・メンズエステの利用をめぐる美人局については、業態ごとに事情が異なるため、別記事で解説しています。
該当する方は以下の記事もあわせてご覧ください。

「不同意性交等罪で訴える」という脅しは何を根拠にしているのか
美人局(つつもたせ)とは
美人局とは、男女が共謀してターゲットとなる男性を誘惑し、性的な関係を持たせた(または持たせたように見せかけた)うえで、因縁をつけて金銭を要求する行為を指します。
刑法に「美人局罪」という独立した犯罪が定められているわけではなく、その行為は態様に応じて恐喝罪や脅迫罪、詐欺罪といった既存の犯罪に該当します。
つまり、脅している側が違法な行為をしているのであって、あなたは犯罪の被害者としての立場にあります。
2023年の刑法改正で何が変わったか
2023年7月13日に施行された改正刑法により、従来の強制性交等罪は不同意性交等罪へと名称・内容が改められました。
改正前は「暴行又は脅迫を用いて」性交等を行ったことが要件とされていましたが、改正後は、刑法176条1項に列挙された8つの行為・事由その他これらに類する行為・事由により、相手が同意しない意思を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態にさせ、あるいはその状態に乗じて性交等を行った場合に、不同意性交等罪(刑法177条1項)が成立するとされました。
暴行・脅迫は8つの類型のうちの1つに位置づけ直されたにすぎず、暴行・脅迫がなくても犯罪が成立し得る場面が明文化された、というのが改正の要点です。
相手型の主張の類型
美人局の場面で相手方が持ち出す主張は、刑法176条1項の各号に対応させると、おおむね次のように整理できます。
| 号 | 条文の内容(要旨) | 相手が持ち出しがちな言い分の例 |
|---|---|---|
| 1号 | 暴行・脅迫を用いること | 「無理やりだった」 |
| 3号 | アルコール・薬物を摂取させること、その影響があること | 「酒を飲まされて判断できなかった」 |
| 5号 | 同意しない意思を形成・表明・全うするいとまがないこと | 「気づいたら行為が始まっていた」 |
| 6号 | 予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させること | 「思っていたのと違う行為をされて怖かった」 |
| 8号 | 経済的・社会的地位に基づく影響力による不利益の憂慮 | 「立場上、怖くて拒めなかった」 |
美人局グループは、これらの条文の存在を利用し、「同意していなかったと言えば犯罪が成立する」という誤った理解を植え付けようとします。
しかし、条文が定めているのは、こうした事由によって現実に同意しない意思の形成・表明・全うが困難な状態にあったことであり、事後的にそう主張しさえすれば犯罪が成立するという制度ではありません。
法改正の悪用が指摘されていること
刑法改正の趣旨は性犯罪の処罰範囲を適正化することにありますが、この改正を口実に金銭を要求する事案が生じていることは、複数の報道機関が取り上げています。
もっとも、こうした事案がどの程度の規模で生じているかを裏づける公的な統計は、現時点で確認できていません。
本記事では、報道されている事案の内容と、実際にご相談いただく事案の傾向に即して解説します。
合意があった場合、本当に逮捕・起訴されるのか
相手の供述だけで犯罪が成立するわけではない
「相手が『同意していなかった』と言えば、それだけで逮捕される」という不安を持つ方が少なくありません。
しかし、不同意性交等罪が成立するかどうかは、相手の供述だけで決まるものではなく、当時のやり取りや前後の状況といった客観的な事情に照らして判断されます。
立証責任は検察官にある
刑事裁判において、犯罪の成立を証明する責任(立証責任)は検察官が負います。
被告人の側が「同意があったこと」を証明できなければ有罪になる、という制度ではありません。
検察官が、同意しない意思の形成・表明・全うが困難な状態にあったことを、合理的な疑いを差し挟む余地がない程度に立証できなければ、無罪となります。
供述の信用性はどのように判断されるか
捜査・公判の実務では、被害を訴える供述の信用性が、次のような客観的な事情との整合性によって検討されます。
- 行為に至るまでのやり取り(誘い方、日程調整の経緯)
- 行為後の言動(親密なやり取りが続いていたか、すぐに拒絶や抗議があったか)
- 被害の申告に至るまでの時間的な経過
- 供述内容の一貫性
「女性側から積極的に誘ってきた」「ホテル代を女性が支払った」「行為後も普段どおりの会話が続いていた」といった事実は、同意があったことをうかがわせる事情として重要な意味を持ちます。
こうした事情を示す証拠を保全しておくことが、後述する対応の中でも特に重要になります。
「一発で実刑になる」という説明は正確ではない
不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です(刑法177条1項)。
この法定刑の重さから、「有罪になれば必ず長期の実刑になる」という説明がなされることがありますが、この説明は正確ではありません。
犯行の動機や態様、被害弁償の有無といった事情によっては、酌量減軽(刑法66条)が認められることがあります。
有期拘禁刑を酌量減軽するときは、長期・短期をそれぞれ2分の1に引き下げるものとされており(刑法68条3号)、法定刑の下限である5年は2年6月まで下がり得ます。
執行猶予は3年以下の拘禁刑を言い渡す場合に付すことができるため(刑法25条1項)、酌量減軽によって処断刑の下限まで下がれば、制度上は執行猶予を付し得る範囲に入ります。
もっとも、これは「減軽されれば必ず執行猶予になる」という意味ではなく、実際の量刑は個別の事情によって大きく異なります。
性犯罪として重く扱われる犯罪類型であることに変わりはなく、脅されている段階で「どうせ実刑になる」と過度に悲観する必要も、逆に楽観する必要もありません。
逮捕されやすいのはどのような場合か
被害届が提出された場合であっても、逃亡や罪証隠滅のおそれが乏しいと判断されれば、逮捕に至らず在宅で捜査が進められることもあります。
一方で、相手と直接連絡を取り続け、感情的なやり取りを重ねることは、罪証隠滅や威迫を疑われる材料になりかねません。
この点からも、相手方との連絡は早期に弁護士へ窓口を移すことが望ましいといえます。
同意があったことを示す証拠
保存すべきもの
| 種類 | 具体例 | 留意点 |
|---|---|---|
| メッセージ履歴 | 出会ってから行為に至るまでのLINE・アプリ内のメッセージ全履歴 | スクリーンショットに加え、可能であればテキストデータでも保存する |
| 通話記録・録音 | 相手からの通話内容 | 今後かかってくる通話は、可能な範囲で録音しておく |
| 決済・移動の記録 | ホテル代や飲食代の支払い記録、交通系ICカードの利用履歴 | 誰が費用を負担したかを示す事情になる |
| 現場の記録 | ホテルに入った時間、出た時間、当時のやり取りの内容 | 記憶が新しいうちにメモとして残しておく |
| 第三者の情報 | 出会いの経緯を知る友人など | 直接連絡を取る前に、まず弁護士に相談する |
削除してはいけない理由
「見られたくない」「疑われたくない」という理由で、相手とのやり取りを削除してしまう方がいます。
しかし、これは逆効果です。
相手とのやり取りは、あなたの同意があったことを裏づけ、相手の恐喝行為を立証するための重要な証拠になり得ます。
証拠が乏しい場合にどうするか
「決定的な証拠がないから諦めるしかない」というものではありません。
相手方の主張が一貫しているか、時間の経過とともに内容が変遷していないかといった点も、相手方の供述の信用性を検討するうえで重要な材料になります。
証拠の有無や強弱の評価は個別の事案によって異なるため、手元にある資料をすべて弁護士に示したうえで、方針を検討することになります。
金銭を要求している相手の行為はどんな犯罪にあたるのか
相手方に成立しうる犯罪
| 犯罪 | 典型的な行為 | 法定刑 |
|---|---|---|
| 恐喝罪(刑法249条) | 「訴える」「会社にバラす」などと告げて金銭を支払わせる | 10年以下の拘禁刑 |
| 恐喝未遂罪(刑法250条) | 脅して金銭を要求したが、支払われなかった | 同上 |
| 脅迫罪(刑法222条) | 金銭要求を伴わずに害悪を告知する | 2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 |
| 詐欺罪(刑法246条) | 「妊娠した」等の虚偽を告げて中絶費用名目等で金銭をだまし取る | 10年以下の拘禁刑 |
| 逮捕監禁罪(刑法220条) | 支払うまで帰さない、車で移動させる | 3月以上7年以下の拘禁刑 |
| 強盗罪(刑法236条) | 反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫を加えて金銭を奪う | 5年以上の有期拘禁刑 |
「訴える」と告げる行為が恐喝にあたる理由
恐喝罪における脅迫は、身体への危害の告知に限られません。
自由・名誉・財産に対して害を加える旨を告げることも含まれます。
「不同意性交等罪で訴える」「会社や家族にバラす」と告げて、義務のない金銭の支払いを要求する行為は、正当な権利行使の範囲を超えるものとして、恐喝罪(要求の段階でも恐喝未遂罪)に該当し得ます。
虚偽の被害申告をした場合の相手方の責任
相手が事実と異なる内容を警察に申告した場合、虚偽告訴等罪(刑法172条)が問題となり得ます。
同罪は、人に刑事の処分を受けさせる目的で虚偽の申告をした場合に成立し、3月以上10年以下の拘禁刑が定められています。
もっとも、同罪の成立には申告内容が客観的事実に反することの立証が必要であり、その立証は容易ではありません。
相手の刑事責任を追及することよりも、まずはご自身が不起訴処分や逮捕の回避を得ることを優先して弁護活動を進める必要があります。
実際に摘発された事例
美人局は、実際に摘発されている犯罪です。報道された事例をいくつか紹介します。
- 派遣型風俗店のサービス終了後、「不同意で性交された。警察に訴えたら捕まるよ」などと告げ、示談金名目で金銭を要求したとして、従業員の女性が恐喝の疑いで逮捕されたと報道された事例(2025年12月)
- 未成年を含む男女が「美人局」の手口で男性から金銭を脅し取ろうとしたとして恐喝の疑いで逮捕され、同種の手口による事件が相次いで摘発されていると報道された事例(2025年6月、愛知県)
このように、本来は「訴える」と脅して金銭を要求した側が刑事責任を追及されます。
自分自身に刑事責任が生じ得る場合
相手方の行為が犯罪にあたり得ることと、ご自身に一切の責任が生じないこととは、別の問題です。
相手が16歳未満だった場合
刑法177条3項は、16歳未満の者に対する性交等について、同意の有無を問わず不同意性交等罪が成立するものと定めています。
もっとも、相手が13歳以上16歳未満である場合には、行為者が相手より5歳以上年長であることが要件とされており、年齢が近い者同士の行為は対象から除かれています。
相手が13歳未満であった場合は、この年齢差の要件はなく、同意の有無にかかわらず犯罪が成立します。
ただし、相手が16歳未満だったと認識していない(故意がない)場合、犯罪は成立しません。
相手が18歳未満で対価を渡していた場合
18歳未満の者に対して対価を供与して性交等を行った場合は、児童買春・児童ポルノ禁止法(児童買春に係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)における児童買春として処罰の対象となります。
こちらについても、相手が18歳未満だったと認識していない(故意がない)場合、犯罪は成立しません。
各都道府県の青少年保護育成条例
対価がない場合であっても、18歳未満の者との性交等については、各都道府県が定める青少年保護育成条例(いわゆる淫行条例)に違反する可能性があります。
条例の内容や適用範囲は都道府県ごとに異なります。
撮影行為があった場合
性的な行為の様子を相手に無断で撮影した場合、性的姿態撮影等処罰法(性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律)の対象となり得ます。
相手が「証拠として残しておこう」などと撮影を持ちかけてきた場合であっても、無断での撮影自体が別の犯罪を構成する可能性がある点に注意が必要です。
「実は未成年だった」と告げられたときの考え方
関係を持った後になって「実は未成年だった」と告げられる手口があります。
このパターンが厄介なのは、相手の言い分が事実であった場合に、ご自身に犯罪が成立してしまう可能性がある点です。
もっとも、そもそも相手が本当に未成年であるかどうか自体が不明である場合が多く、年齢を偽ることも典型的な手口の一つです。
仮に未成年が関与していたとしても、未成年を利用して金銭を脅し取る行為自体が悪質な恐喝であることに変わりはなく、相手側も警察沙汰を望んでいない場合がほとんどです。
このパターンは、ご自身の刑事リスクの評価と、相手方への対応方針の検討を同時に行う必要がある、専門的な判断を要する類型です。
自己判断で動かず、直ちに弁護士に相談してください。
弁護士には守秘義務があり、あなたに不利益な形で相談内容が外部に漏れることはありません。
やってはいけない対応
その場で支払う
「今すぐ支払えば穏便に済ませる」と言われても、その場で支払ってはいけません。
金銭を支払うことは、後ろめたい行為があったことを間接的に認めた事情として利用されるおそれがあります。
また、後に冤罪であると証明できたとしても、一度支払った金銭の返還には手間がかかります。
念書・示談書・借用書に署名する
「今後は近づかない」「誠意を見せる」といった内容の書面に署名を求められることがあります。
その文面に、不利な内容が含まれている場合があります。
署名・押印した文書は、後の裁判で強力な証拠となり得るため、どのような内容であっても、その場で署名してはいけません。
やり取りを削除する
「見られたくない」という理由でLINEや通話履歴を削除する方がいますが、これは逆効果です。
相手とのやり取りは、あなたの無実を証明し、相手の恐喝罪を立証するための証拠になり得ます。
自分で交渉する
相手が録音していることを前提に対応しないと、不利な発言を自ら残すことになりかねません。
窓口を弁護士に移すことで、直接のやり取りを止めることができます。
相手方の住所や勤務先を独自に調べる
相手方の素性を明らかにしたいという気持ちは理解できますが、独自に調査を行うことは、別の法的問題(プライバシー侵害やストーカー行為規制法上の問題など)を生じさせる可能性があります。
相手方の情報の収集や照会は、弁護士を通じて行うべきです。
脅されたときにとるべき対応
支払いと署名を保留する
「弁護士に相談しますので、回答をお待ちください」と伝え、それ以上の対応は控えてください。
身の危険があるときは110番通報する
帰らせてもらえない、車で移動させられるといった状況は、逮捕監禁罪にあたり得る場面です。
身体に危害が及ぶおそれがある場合は、ためらわずに110番通報してください。
やり取りと相手の情報を保全する
LINE・メールの履歴、通話の録音、相手の氏名・電話番号・振込先口座、使用していたアプリの名称を、可能な限り保存してください。
相手方への連絡は、電話番号等の当事務所が実際に対応できる手段によって行われるべきであり、SNSのアカウントを通じた接触は想定していません。
連絡を絶つかどうかの判断
相手からの執拗な連絡に応答する必要はありません。
もっとも、完全にブロックするかどうかは状況によります。
相手が逆上して職場に連絡するリスクがある場合など、あえてブロックせずに脅迫メッセージを証拠として受信し続けるという対応をとることもあります。
この判断は弁護士に委ねるのが安全です。
警察に相談してよいか
美人局は恐喝等の犯罪ですから、警察に相談・被害届の提出をすることは正当な対処法の一つです。
成人間の不倫や、成人同士の風俗利用自体は犯罪ではなく、それを理由に警察があなたを処罰することはありません。
もっとも、証拠が不十分なまま相談すると、当事者間の金銭トラブルとして扱われ、積極的に動いてもらえないことがあります。
また、相手方が先に虚偽の被害申告をするおそれがある事案や、ご自身にも刑事リスクがありうる事案では、相談の仕方やタイミング自体が判断を要する事項です。
そのため、緊急の危険がある場合を除き、まず弁護士に相談して証拠と法的な構成を整理したうえで、必要に応じて弁護士のサポートを受けながら警察に相談する、という順序をおすすめします。
すでに支払ってしまった場合
「怖くてその場で払ってしまった」という方も、諦める必要はありません。
第一に、追加の要求には応じないでください。
第二に、支払ってしまった金銭の返還を請求できる可能性があります。
脅されて行った支払いは、強迫による意思表示として取り消すことができ(民法96条1項)、不当利得の返還(民法703条・704条)や不法行為に基づく損害賠償(民法709条)として、相手に返還を求めることができます。
第三に、支払い済みであることは、被害届の提出の妨げになりません。むしろ、現実に金銭を交付してしまった以上、相手の行為は恐喝未遂ではなく恐喝罪の既遂として評価され得ます。
もっとも、相手が回収困難な人物(素性不明・無資力)であるケースも多く、返還請求にどこまでコストをかけるべきかは費用対効果の見極めが必要です。
弁護士に依頼した場合の対応と流れ
受任通知により直接の連絡が止まる
弁護士が受任通知を送付すると、相手はあなたに直接連絡を取ることができなくなります。
深夜の電話や執拗なLINEから解放され、落ち着いて今後の対応を検討できる状態になります。
法的根拠のない請求であることを主張する
相手の要求が法的根拠のない不当な請求であり、恐喝罪や恐喝未遂罪に該当し得ることを主張します。
「これ以上請求を続けるなら、恐喝罪で刑事告訴する」と警告することで解決するケースも少なくありません。
刑事責任のリスクに備える
万が一、相手が警察に被害届を出してしまった場合でも、弁護士であれば弁護人として活動することが可能です。
保全した証拠に基づき、同意があったことを法的に主張し、不起訴処分や逮捕の回避を目指します。
冤罪を防ぐには初動が重要であり、逮捕されてから弁護士を探すのではなく、脅された段階で弁護士をつけておくことで、早期に対応することが可能になります。
家族や勤務先への発覚を防ぐ
弁護士は守秘義務を負っています。
相談内容が外部に漏れることはありません。
相手方に対しても、職場や家族に連絡すれば名誉毀損や業務妨害として追加の法的措置をとると警告し、被害が周囲に広がるリスクを抑えます。
相談から解決までの流れ
弁護士に依頼した場合の、解決までの一般的な流れは次のとおりです。
- 法律相談(状況・証拠の確認):脅迫に至る経緯とやり取りを確認し、相手の行為の法的評価と、ご自身の刑事リスクの有無を整理します。
- 方針決定:無視して様子を見る、受任通知を送って交渉の窓口を一本化する、警告書を送付する、警察に被害相談や刑事告訴をするなど、事案に応じた方針を決めます。
- 弁護士による対応:受任通知・警告書の送付後は、相手からの連絡はすべて弁護士が対応し、要求の停止を求めます。
- 解決:多くの事案では、弁護士の介入により相手が要求を断念して連絡が止まる形で終結します。相手が引き下がらない場合は、警察への被害届提出や刑事告訴に進みます。
美人局グループは、警察沙汰・弁護士沙汰を最も嫌います。
狙いは、誰にも相談できず孤立した相手から手早く金銭を得ることであり、弁護士が介入した時点で、その目論見は崩れます。
美人局を疑うべき場面
次のような特徴がある場合は、慎重に状況を確認してください。
- 出会ってから会うまでの流れが不自然に早い
- 費用を相手側が負担する、または通常より極端に安い
- パートナーや夫の愚痴を繰り返し口にする
- 特定の店舗やホテルへの移動を強く求めてくる
- 避妊具の装着を拒む、または不要だと告げる
- 身分証の提示や、身分証を撮影することを求めてくる
ただし、これらの特徴があるからといって、必ず美人局であるとは限りません。
これらは、報道された事案や相談事例に共通して見られる傾向にすぎず、該当する事情があったとしても、それ自体が非難されるべきものではありません。
すでに金銭を要求されている場合は、こうした事前の兆候の有無にかかわらず、本記事で解説した対応をとってください。
よくある質問(FAQ)
- 合意があったのに「不同意性交で訴える」と言われています。逮捕されてしまうのでしょうか。
-
相手が「同意していなかった」と主張するだけで、直ちに犯罪が成立したり逮捕されたりするわけではありません。
当時のやり取りや前後の状況といった客観的な証拠に基づいて判断されます。誘いのLINEや行為後の親密なやり取り等が残っていれば、同意があったことを示す重要な証拠になりますので、絶対に削除しないでください。
- 不同意性交等罪は「言ったもの勝ち」なのでしょうか。
-
そのような制度ではありません。
犯罪の成立を証明する責任は検察官にあり、被害を訴える供述の信用性は、当時のやり取りなど客観的な事情との整合性によって検討されます。
もっとも、証拠が乏しい状況では捜査機関の判断に時間を要することもあるため、早期の証拠保全が重要です。 - 相手の言い分が嘘だった場合、相手は何か罪に問われますか。
-
事実と異なる内容を警察に申告した場合、虚偽告訴等罪(刑法172条)が問題となり得ます。
ただし、その立証は容易ではないため、相手の刑事責任を追及することよりも、まずはご自身の不起訴処分や逮捕回避を優先して対応を進めるのが重要です。
- 相手に身分証を見られて、住所や勤務先を知られています。どうすればいいですか。
-
相手が自宅や職場に押しかける素振りを見せている場合や、身体への危険を感じる場合は、ためらわずに警察に相談してください。
そこまでの緊急性がない場合でも、弁護士が受任通知を送付し、直接の接触や職場への連絡は名誉毀損・業務妨害等として法的措置の対象になると警告することで、接触を抑止できるケースが多くあります。 - 脅されてその場で念書を書いてしまいました。もう手遅れですか。
-
手遅れではありません。
脅迫により作成した念書は、強迫による意思表示として取り消すことができる場合があります(民法96条1項)。
念書を書かされたという経緯自体が、相手の恐喝・強要を裏づける事情にもなります。念書の内容と作成時の状況を整理して、弁護士に相談してください。
- 相手が未成年だったと告げられました。自分も逮捕されますか。
-
相手が16歳未満(13歳以上の場合は行為者が5歳以上年長であるとき)や18歳未満で対価を渡していた場合には、ご自身に刑事責任が生じる可能性があります。
もっとも、そもそも相手が本当に未成年であるかどうか自体が不明な場合が多く、年齢を偽ることも典型的な手口の一つです。自己判断で金銭を支払う前に、直ちに弁護士に相談してください。
- 警察と弁護士、どちらに先に相談すべきですか。
-
身体に危害が及ぶおそれがあるなど緊急の場合は、迷わず警察に連絡(110番など)してください。
そうでない場合は、まず弁護士に相談して証拠と法的構成を整理することをおすすめします。整理された状態で被害相談を行うほうが、警察も動きやすくなります。
ご自身にも刑事リスクがありうる事案では、なおさら事前の弁護士相談が重要です。 - 弁護士に相談したことや、不倫・風俗利用の事実が家族や会社に知られませんか。
-
弁護士は法律上の守秘義務を負っており、ご相談内容を無断で外部に漏らすことはありません。
ご家族に知られずに相談・依頼を進めることも可能ですので、連絡方法等のご希望があれば遠慮なくお申し付けください。
まとめ
- 「不同意性交等罪で訴える」と告げて金銭を要求する行為は、それ自体が恐喝罪にあたり得ます。
- 犯罪の成立を証明する責任は検察官にあり、相手の供述だけで犯罪が成立するわけではありません。
- 法定刑の重さから「一発で実刑になる」と説明されることがありますが、酌量減軽により執行猶予を付し得る範囲に入ることもあり、この説明は正確ではありません。
- その場での支払いと書面への署名は避け、やり取りを削除せずに保存してください。
- 相手が16歳未満であった場合など、ご自身に刑事責任が生じ得る場合は、自己判断で動かず直ちに弁護士に相談してください。
当事務所では、刑事事件全般について、被害を受けた場合の対応から、ご自身に刑事責任が生じ得る場合の弁護活動まで、一貫してお受けしています。
支払いを保留したまま、お早めにご相談ください。
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