薬物事件で逮捕された方・ご家族の方へ
「家族が大麻所持で逮捕された」「警察に呼ばれているが今後どうなるのか」「不起訴にしてもらえないか」――薬物事件は鑑定に時間がかかるため身柄拘束が長期化しやすく、起訴された場合の前科の影響も重大です。
一方で、適切な弁護活動により不起訴・執行猶予を獲得できる事案も少なくありません。
髙田法律事務所では、大麻・覚醒剤・MDMA・危険ドラッグなどの薬物事件について、早期釈放、不起訴処分の獲得、執行猶予判決の獲得を目指した刑事弁護をご提供しております。
2024年12月の法改正で何が変わったか
薬物事件のうち、特に大麻に関する法規制は2024年12月12日に大きく変わりました。
改正前と改正後の違いを整理します。
改正前
- 大麻取締法が大麻の所持・譲渡・栽培等を規制
- 大麻の「使用」は処罰対象外(いわゆる使用罪なし)
改正後
- 大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」に名称変更され、規制対象は栽培関連に限定
- 大麻草およびその製品、THC(テトラヒドロカンナビノール)は「麻薬」に位置付けられ、麻薬及び向精神薬取締法(以下「麻向法」)で規制
- 大麻の「使用」も処罰対象に(使用罪の新設)
この改正により、大麻の所持・施用・譲渡などは麻向法に基づく「麻薬」に関する罪として処理されることになりました。
薬物事件で逮捕されてから判決までの流れ
薬物事件の身柄拘束期間は、他の刑事事件と比較して長期化する傾向があります。
これは押収物の正式鑑定に時間を要するためです。
逮捕から起訴・不起訴決定まで(最大23日間)
- 逮捕後48時間以内に検察官に送致
- 送致後24時間以内に検察官が勾留請求
- 裁判官が勾留決定(10日間)
- 検察官が勾留延長請求(さらに最大10日間)
- 鑑定結果を踏まえて起訴・不起訴決定
起訴後
- 起訴された場合、保釈請求が可能になる
- 起訴から約1〜2か月後に第1回公判
- 自白事件の場合は1回の公判で結審し、その後判決になることが多い
在宅事件の場合
- 職務質問で押収された薬物の鑑定結果待ちで、数週間から数か月後に出頭要請があるケース
- 結果次第で在宅のまま起訴、または逮捕に至る
薬物の種類別の罰則
代表的な薬物の単純所持・使用(自己使用目的)に関する法定刑です。
営利目的の場合はさらに重くなります。
大麻(麻向法・麻薬)
- 単純所持・施用:7年以下の拘禁刑
- 営利目的の所持等:1年以上10年以下の拘禁刑、情状により300万円以下の罰金併科
覚醒剤(覚醒剤取締法)
- 単純所持・使用:10年以下の拘禁刑
- 営利目的の所持等:1年以上の有期拘禁刑、情状により500万円以下の罰金併科
MDMA・LSD・コカイン等(麻向法・麻薬)
- 単純所持・施用:7年以下の拘禁刑
- 営利目的:1年以上10年以下の拘禁刑、情状により300万円以下の罰金併科
ヘロイン(麻向法・麻薬の中で特に重い扱い)
- 単純所持・施用:10年以下の拘禁刑
- 営利目的:1年以上の有期拘禁刑、情状により500万円以下の罰金併科
危険ドラッグ・指定薬物(医薬品医療機器等法)
- 製造・販売・所持・使用:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科可)
輸出入や製造の事案は、これらより法定刑がさらに重くなります。
不起訴・執行猶予の可能性
薬物事件は「証拠が明白だから不起訴は難しい」と言われがちですが、データを見ると見方が変わります。
法務省「令和7年版犯罪白書(令和6年の数値)」によれば1、令和6年における起訴猶予率は、覚醒剤取締法違反が8.5%、大麻取締法違反が35.5%、麻薬取締法違反が15.9%でした。大麻事案では3件に1件以上が起訴猶予となっており、道交違反を除く特別法犯全体の起訴猶予率45.5%と比較しても遜色ない水準にあります。
一方、覚醒剤と麻薬は特別法犯全体より顕著に低い水準です。
不起訴を獲得するために重要となる要素
- 押収物の量が極めて微量であるなど犯情が軽い事案
- 初犯であること
- 家族等の監督者の存在
- 薬物依存治療の開始
- 反省と再犯防止策の具体性
執行猶予を獲得するために重要となる要素
- 安定した就労・生活環境
- 家族や雇用主による監督体制
- 薬物専門医療機関への通院または入院
- ダルク等の自助グループへの参加
- 交友関係の整理
弁護人は、これらの事情を捜査段階から積み上げ、検察官や裁判官に対して書面で具体的に主張・立証していきます。
逮捕直後から動き始めることで、選択肢が大きく広がります。
ご家族が薬物事件で逮捕されたときに
ご家族が逮捕された直後は、何をすべきか分からず混乱されることが多いと思います。
最低限押さえていただきたい点をまとめます。
すぐに行うべきこと
- 弁護士に接見を依頼する(逮捕直後は家族でも面会できない可能性があるため、弁護士接見が唯一の連絡手段になる)
- 警察署と担当部署を確認する
- 弁護士費用と当面の生活費の準備
避けるべきこと
- ご家族が単独で警察に事情を聞きに行く
- 関係する可能性のある荷物の処分(罪証隠滅とみなされるリスク)
- SNS等での発信
- 共犯と疑われる可能性のある人物との連絡
会社・学校への対応
- 早期釈放を目指すことで会社・学校への発覚を防げる事案がある
- 釈放できなかった場合の説明の仕方も弁護士と相談可能
当事務所のサポート内容
当事務所では、薬物事件について以下の弁護活動を提供しています。
捜査段階
- 逮捕直後の接見と方針説明
- 勾留阻止に向けた意見書提出
- 勾留決定に対する準抗告
- 不起訴処分獲得に向けた検察官との交渉
- 押収手続・鑑定手続の適法性検証
- その他弁護活動
公判段階
- 保釈請求
- 情状立証(家族・職場・治療機関との連携)
- 執行猶予獲得に向けた弁護
- 量刑不当を争う控訴
- その他弁護活動
弁護士が初動から判決まで一貫して担当します。
担当者が途中で変わることはありません。
よくあるご質問
- 大麻の所持で初犯ですが、執行猶予になりますか。
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単純所持の初犯で営利目的がなく、家族の監督や治療開始等の事情が整っている場合、執行猶予判決となる可能性が高いといえます。
ただし、所持量、共犯の有無、反省状況等によって結論は変わります。 - 覚醒剤の尿検査で陽性反応が出ました。必ず起訴されますか。
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覚醒剤事案の起訴率は大麻と比較して高く、起訴される可能性は高いと言わざるを得ません。
ただし、自らの意思での摂取ではないことを示せる事情がある場合、鑑定や採取手続に瑕疵がある場合などには、不起訴を目指す弁護活動が可能です。
- 家族が逮捕されました。面会はできますか。
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逮捕直後は家族の面会が制限される場合があります。
一方、弁護士は接見禁止がついていても接見できますので、まず弁護士接見をご利用ください。
- 弁護士費用はいくらかかりますか。
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事案の複雑さや想定される手続によって異なります。当事務所では着手金・報酬金を事前に明示し、見通しと併せてご説明します。詳細は該当ページをご覧ください。
- 会社や学校に知られずに済みますか。
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早期釈放を実現できれば、欠勤・欠席が長期化せずに済むため、発覚を防げる事案があります。
釈放後の対応も含めてご相談ください。 - 薬物事件で保釈は認められますか。
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起訴後の保釈は、初犯で犯行を認めており、共犯者との接触のおそれが低い場合には認められやすい傾向にあります。
否認事件や共犯事件では難易度が上がります。
まずはお気軽にご相談ください
薬物事件は時間との勝負です。逮捕直後の対応が、その後の結果に大きく影響します。
ご本人またはご家族が薬物事件に関わってしまった方は、できるだけ早くご相談ください。
お電話でのお問い合わせ
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(受付時間:平日10:00~18:00)
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参考文献等
- 令和7年版 犯罪白書 第4編/第2章/第3節/1(https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_4_2_3_1.html) ↩︎