2025年– date –
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SNS投稿における脅迫罪・強要罪の成立要件と法的手続
はじめに SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、現代社会における主要なコミュニケーションツールとなりましたが、その匿名性や拡散性の高さから、他者に対する攻撃的な投稿が深刻な社会問題となっています。単なる誹謗中傷にとどまらず、相... -
日本の離婚手続きについて:協議・調停・裁判それぞれの流れと要点
はじめに 夫婦関係を解消する「離婚」は、当事者にとって極めて重大な身分上の法律行為です。日本の法制度では、離婚に至る手続きとして、主に「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」という3つの方法があります。これらの手続きは、当事者間の合意形成の度... -
リベンジポルノ被害に遭った場合の法的対応と加害者特定、損害賠償請求の流れについて
はじめに 交際相手などから、過去に撮影された私的な性的画像や動画(以下「私事性的画像記録」)を、本人の同意なくインターネット上に公開される、いわゆる「リベンジポルノ」の被害が深刻な社会問題となっています。一度インターネット上に流出した画像... -
CBD製品の適法性と違法性-2023年大麻取締法改正を踏まえて
はじめに 近年、リラクゼーションや健康維持を目的として、カンナビジオール(CBD)を含有するオイル、ベイプ、食品などの製品が急速に市場に普及しています。その一方で、CBDと同様に大麻草(カンナビス)に含まれる成分であるテトラヒドロカンナビノール... -
刑事事件における逮捕の要件と逮捕の可能性が高いケース
はじめに 刑事事件の捜査が開始された場合でも、被疑者(容疑をかけられた人)が必ずしも逮捕されるわけではありません。警察が被疑者の身柄を拘束せず、必要に応じて出頭を求めて捜査を進める「任意捜査」が原則とされています。 一方で、法律が定める一... -
保釈金の金額はどのように決まるのか?
はじめに 刑事事件で起訴された被告人が、身体拘束から一時的に解放される制度として「保釈」があります。保釈が許可される際には、ほとんどの場合、裁判所に対して「保釈保証金(以下、保釈金)」を納付することが条件とされます。ニュースなどでは「保釈... -
不同意性交等罪の成立要件と不起訴処分の可能性
はじめに 2023年7月13日に施行された改正刑法は、性犯罪に関する規定に大きな変更をもたらしました。特に、従来の「強制性交等罪」および「準強制性交等罪」が統合・再編成され、新たに「不同意性交等罪」(刑法第177条)が創設されたことは、処罰対象とな... -
名誉毀損罪・侮辱罪の「公訴時効」と「告訴期間」
はじめに インターネット上の誹謗中傷に対し、刑事責任の追及を検討する際、法律で定められた2つの重要な時間的制約、「公訴時効」と「告訴期間」を正確に理解しておく必要があります。これらの期間を徒過すると、たとえ悪質な権利侵害が存在したとしても... -
AIで生成された「自分の画像」がネットで公開されている場合等の対処法(肖像権・パブリシティ権)
はじめに 「SNSを見ていたら、自分と瓜二つの顔をしたアイドルのような画像が投稿されていた。AIで生成したと書かれているが、どう見ても自分の顔だ…」 「悪質な掲示板で、自分の顔写真が卑猥な画像に加工され、『AIで生成した』という注釈付きで拡散され... -
裁判員に選ばれたときの話
はじめに 今回は裁判員について解説します。といっても、他のコラムのように法的に詳しく解説するというよりも、私自身が裁判員に選ばれた時の経験談を軽く書いてみます。 裁判員制度の概要 1.裁判員制度とは とはいえ、どのような制度なのかについて、...