【この記事の結論・要約】
- ビットトレントによる著作権侵害の民事の消滅時効は、権利者が加害者を特定した時から3年(不法行為時から最長20年)です。
- 刑事の公訴時効は、犯罪行為が終了した時から7年(著作権法119条1項、刑事訴訟法250条2項4号)です。
- ビットトレントでAVや漫画を共有する行為は非親告罪に該当する可能性が高く、その場合、告訴期間(6か月)の制限を受けません(著作権法123条2項・3項)
はじめに
ビットトレント(BitTorrent)を利用してAVや漫画などの著作物をアップロード・共有していたところ、ある日突然、プロバイダから「意見照会書」(発信者情報開示に係る意見照会書)が届いた。
このような状況で、多くの方が気になるのは、「損害賠償請求にはいつまでの期限があるのか」「刑事罰に問われる可能性はあるのか」「もう時効が過ぎているのではないか」という点ではないでしょうか。
この記事では、ビットトレントによる著作権侵害について、民事の時効(消滅時効)、刑事の時効(公訴時効)、そして見落としがちな告訴期間の問題を、詳しく解説します。
ビットトレントによる著作権侵害とは
ビットトレントの仕組みと法的問題
ビットトレント(BitTorrent)は、P2P(ピア・ツー・ピア)方式のファイル共有ソフトです。
通常のダウンロードとは異なり、ビットトレントではファイルをダウンロードすると同時に、自動的に他のユーザーへアップロード(共有)する仕組みになっています。
つまり、AVや漫画などの著作物をビットトレントで取得すると、意図せずとも不特定多数のユーザーに対して著作物を送信(公衆送信・送信可能化)していることになります。
この行為は、著作権法が定める公衆送信権(著作権法23条1項)の侵害に該当します。
「ダウンロードだけ」ではないビットトレントの危険性
ここで重要なのは、ビットトレントの場合、ダウンロード行為とアップロード行為が法的に区別されるという点です。
| 行為 | 該当条文 | 法定刑 |
|---|---|---|
| アップロード(公衆送信権侵害) | 著作権法119条1項 | 10年以下の拘禁刑又は1000万円以下の罰金 |
| ダウンロード(違法ダウンロード) | 著作権法119条3項 | 2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金 |
ビットトレントでは、ダウンロードと同時にアップロードが行われるため、利用者はより重い法定刑が定められた119条1項の「アップロード」の責任を問われることになります。
「ダウンロードしただけ」という認識は、ビットトレントの仕組み上、通用しません。
意見照会書が届く理由
著作権者(またはその委託を受けた事業者)は、著作権侵害を発見すると、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づく発信者情報開示請求を行います。
この手続きの過程で、プロバイダ(ISP)が契約者に対して「あなたの情報を開示してよいか」を確認するために送付するのが、意見照会書です。
意見照会書が届いた時点では、まだ著作権者に氏名や住所が開示されていないことが多いですが、放置しても開示を阻止できるわけではありません。
むしろ、意見照会書が届いた段階で弁護士に相談し、適切な対応を取ることが重要です。
民事の時効(消滅時効)|損害賠償請求の期限
不法行為に基づく損害賠償請求の消滅時効
ビットトレントによる著作権侵害は、民法上の不法行為(民法709条)に該当します。
不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、民法724条に定められています。
民法724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき。
二 不法行為の時から20年間行使しないとき。
つまり、著作権侵害の損害賠償請求については、2つの時効期間が存在します。
| 時効の種類 | 起算点 | 期間 |
|---|---|---|
| 主観的起算点 | 被害者が損害と加害者の両方を知った時 | 3年 |
| 客観的起算点 | 不法行為の時(著作権侵害行為の時) | 20年 |
ビットトレント事案における起算点の考え方
ビットトレント事案で重要なのは、主観的起算点(3年の時効)の「加害者を知った時」がいつかという点です。
著作権者がビットトレントで著作物が共有されている事実を把握しても、その時点ではIPアドレスしか判明しておらず、侵害者の氏名・住所は特定できていません。
したがって、著作権者が発信者情報開示請求によって侵害者の氏名・住所を取得した時点が、「加害者を知った時」に該当すると考えられます。
つまり、意見照会書が届いた段階や、その後に開示が行われた段階を起点として、そこから3年間が民事の時効期間となります。
逆にいえば、「侵害行為自体が数年前だから時効ではないか」と安易に考えるのは危険です。
権利者が加害者を特定したのがごく最近であれば、侵害行為自体が古くても3年の時効は進行していない可能性があります。
客観的起算点(20年)について
もう一つの時効である20年の期間は、侵害行為の時から起算されます。
ビットトレントでは、ファイルの共有(アップロード)を行っていた期間の最後の侵害行為が起算点となります。
実務上、20年が問題になることはほとんどありませんが、民法724条2号の20年の期間は消滅時効であり(2020年民法改正により、旧法下の除斥期間から変更)、時効の完成猶予や更新の対象となる点には注意が必要です。
損害賠償額の算定方法と裁判例
ビットトレントによる著作権侵害の損害賠償額については、東京地方裁判所令和3年8月27日判決およびその控訴審である知的財産高等裁判所令和4年4月20日判決が重要な判断基準を示しています。
この裁判例では、損害額の算定について以下の枠組みが採用されました。
損害額 = ダウンロード回数 × 1ダウンロードあたりの利益額
具体的には、当該著作物がビットトレントのネットワーク上でダウンロードされた回数に、権利者が1回のダウンロードにつき失った利益(販売価格をベースに算出)を乗じて損害額を算定するという考え方です。
この裁判例を踏まえると、1作品あたりの裁判所認定損害額は数万円程度にとどまるケースもあります。
ただし、権利者側の請求額と裁判で認められる損害額には乖離があるのが実情です。
権利者からの示談交渉では、上記の裁判例よりも高額な請求がなされることも少なくないため、弁護士に相談して適切な金額交渉を行うことが重要です。
また、複数の作品を共有していた場合には、作品数に応じて損害額が積み重なり、合計で数十万円〜数百万円以上に達する可能性があります。
刑事の時効(公訴時効)
著作権侵害罪の法定刑
ビットトレントによる著作権侵害は、刑事罰の対象にもなります。
著作権法119条1項は、著作権侵害罪について次のように規定しています。
著作権法119条1項
著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(…)は、10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
※2025年6月1日施行の刑法改正により、従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に統合されています。
また、法人がビットトレントを業務に関連して利用していた場合は、行為者の処罰に加え、法人に対して3億円以下の罰金刑が科される可能性があります(著作権法124条1項)。
公訴時効は7年
公訴時効とは、犯罪行為が終了してから一定期間が経過すると、検察官が起訴できなくなる制度です(刑事訴訟法250条)。
著作権侵害罪(著作権法119条1項)の法定刑の上限は「10年の拘禁刑」です。
これは、刑事訴訟法250条2項4号が定める「長期15年未満の拘禁刑に当たる罪」に該当するため、公訴時効は7年です。
刑事訴訟法250条2項4号
長期15年未満の拘禁刑に当たる罪については7年
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象条文 | 著作権法119条1項 |
| 法定刑 | 10年以下の拘禁刑又は1000万円以下の罰金 |
| 公訴時効 | 7年 |
| 起算点 | 犯罪行為が終わった時(刑事訴訟法253条1項) |
起算点の考え方
公訴時効の起算点は、「犯罪行為が終わった時」(刑事訴訟法253条1項)です。
ビットトレントの場合、ファイルの共有状態を継続している間は侵害行為が継続していると評価される可能性があります。
したがって、ビットトレントのクライアントソフトを起動し、ファイルを共有可能な状態に置いていた最後の時点が起算点になると考えられます。
実際に刑事事件化した事例
「ビットトレントで刑事事件になることは本当にあるのか」と疑問に思われるかもしれません。
しかし、過去には実際にビットトレントの利用による著作権法違反で逮捕・送致された事例が複数存在します。
主な事例:
- μTorrentを利用した音楽の違法アップロード事件:大阪府警サイバー犯罪対策課は、μTorrentを使用して音楽ファイルをアップロードしていた男性5名を著作権法違反で送致しました。JASRACによる刑事告訴がきっかけとなった事例です。
- アニメ番組の無断配信事件:BitTorrentを使用してアニメ番組やテレビ番組を無断配信したとして、男性が逮捕されています。約170作品を公開しており、被害額は約18億円に上るとされました。
- 漫画の違法アップロード事件:長崎県警が、BitTorrentを通じて漫画を権利者に無断でアップロードしていた男性を著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで送致した事例もあります。
これらの事例のとおり、ビットトレントによる著作権侵害によって刑事事件化されてしまう可能性があります。
告訴期間|著作権法123条2項の重要性
親告罪と告訴期間の原則
著作権侵害罪は、原則として親告罪です(著作権法123条1項)。
著作権法123条1項
第119条第1項から第3項まで、第120条の2第3号から第6号まで、第121条の2及び前条第1項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
親告罪とは、被害者(著作権者)の告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪をいいます。
親告罪の場合、告訴には期間制限があり、刑事訴訟法235条1項により、「犯人を知った日から6か月」以内に告訴しなければなりません。
刑事訴訟法235条1項
親告罪の告訴は、犯人を知った日から6箇月を経過したときは、これをすることができない。
つまり、親告罪であれば、権利者が犯人を知ってから6か月を過ぎると告訴ができなくなるため、事実上の時間的制限となります。
著作権法123条2項・3項による非親告罪化
しかし、ここで非常に重要なのが著作権法123条2項・3項の規定です。
2018年12月30日に施行されたTPP11協定に伴う著作権法改正により、一定の要件を満たす著作権侵害は非親告罪となりました(著作権法123条2項・3項)。
著作権法123条2項の柱書は、以下のように規定しています。
著作権法123条2項
前項の規定は、次に掲げる行為の対価として財産上の利益を受ける目的又は有償著作物等の提供若しくは提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益を害する目的で、次の各号のいずれかに掲げる行為を行うことにより犯した第119条第1項の罪については、適用しない。
一 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。次号において同じ。)を行うこと(当該有償著作物等の種類及び用途、当該譲渡の部数、当該譲渡又は公衆送信の態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。
二 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信を行うために、当該有償著作物等を複製すること(当該有償著作物等の種類及び用途、当該複製の部数及び態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。
※なお、同条3項は、2項で使われている「有償著作物等」の定義規定であり、「著作物又は実演等であって、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの」と定義しています。
この123条2項の条文構造を整理すると、非親告罪となるための要件は以下の3つです。
| 要件 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| ①目的要件 | 対価を得る目的、又は権利者の利益を害する目的があること | 123条2項柱書 |
| ②行為要件(原作性) | 有償著作物等を原作のまま公衆に譲渡・公衆送信、又はこれらのために複製すること | 123条2項各号 |
| ③利益侵害の要件 | 有償著作物等の種類・用途、譲渡の部数、態様等に照らし、権利者の利益が不当に害されること | 123条2項各号(括弧書き) |
①の目的要件と③の利益侵害の要件は一見似ていますが、①は行為者の主観的な目的(権利者の利益を害する目的があったか)を問うものであるのに対し、③は客観的な状況(実際に権利者の利益が不当に害されるといえるか)を問うものであり、両者は別個の要件です。
ビットトレント事案への当てはめ
ビットトレントでAVや漫画などの著作物をアップロード・共有する行為は、以下のように、非親告罪の要件をすべて満たす可能性が高いといえます。
①目的要件について
ビットトレントで有償著作物を無断共有する行為は、権利者の販売利益を害する目的があると評価される可能性があります。
「自分が見るためにダウンロードしただけ」という認識であっても、ビットトレントの仕組み上、ダウンロードと同時にアップロード(公衆送信)も行われているため、少なくとも著作権法上の「送信可能化」を行っている事実は否定できません。
もっとも、ビットトレントの仕組み上、ダウンロードした著作物は自動的にアップロードされるため、利用者がその仕組みを認識していた以上、「権利者の利益を害する目的」が認定される可能性は高いと考えられます。
②原作性の要件について
AVや漫画のファイルをそのまま共有する行為は、典型的な「原作のまま」の公衆送信です。
二次創作やパロディとは異なり、ビットトレントでの共有は通常、著作物をそのまま複製・送信するものですから、この要件は問題なく充たされます。
なお、この「原作のまま」という要件があるため、同人誌やパロディ作品は非親告罪化の対象外とされています。
③利益侵害の要件について
市販のAVや漫画は有償で提供されている著作物であり、それが無料で不特定多数に共有されることで、権利者の販売利益が不当に害されることは明らかです。
非親告罪化の実務的な意味
ビットトレントでの著作権侵害が非親告罪に該当する場合、以下のような重大な実務的影響があります。
告訴がなくても起訴が可能になるため、刑事訴訟法235条の告訴期間(犯人を知った日から6か月)の制限を受けません。
つまり、親告罪であれば「犯人を知ってから6か月以内に告訴しなければならない」という制限がありますが、非親告罪であればこの制限がないため、公訴時効の7年が唯一の時間的制限となります。
「権利者が自分の情報を取得してから6か月が経過すれば刑事罰は受けない」と考えるのは誤りであり、非常に危険です。
| 親告罪の場合 | 非親告罪の場合(BT事案) | |
|---|---|---|
| 告訴の要否 | 必要 | 不要 |
| 告訴期間 | 犯人を知った日から6か月 | 制限なし |
| 刑事追訴の期限 | 公訴時効7年+告訴期間6か月の二重の制限 | 公訴時効7年のみ |
各時効の一覧まとめ
ビットトレントによる著作権侵害に関する時効を一覧にまとめると、以下のとおりです。
| 種類 | 期間 | 起算点 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 民事の消滅時効① | 3年 | 被害者が損害及び加害者を知った時 | 民法724条1号 |
| 民事の消滅時効② | 20年 | 不法行為の時 | 民法724条2号 |
| 刑事の公訴時効 | 7年 | 犯罪行為が終わった時 | 刑訴法250条2項4号 |
| 告訴期間(親告罪の場合) | 6か月 | 犯人を知った日 | 刑訴法235条1項 |
| 告訴期間(非親告罪の場合) | 制限なし | — | 著作権法123条2項 |
ビットトレントの時効に関する注意点
「時効だから安心」は禁物
以下のような理由から、時効の成立に過度な期待を持つことは危険です。
民事の時効について:
- 権利者が加害者を特定した時点から3年なので、侵害行為が古くても時効が進行していない場合がある
- 権利者は裁判上の請求(訴訟提起)や催告により時効の完成を猶予・更新できる(民法147条、150条)
- 意見照会書が届いた段階では、まだ権利者は加害者を特定していない(=3年の時効が始まっていない)ケースが多い
刑事の時効について:
- 公訴時効は7年と比較的長い
- 非親告罪に該当する場合、告訴期間6か月の制限がない
- 前述のとおり、実際にビットトレントによる著作権侵害で逮捕・送致された事例が複数存在する
複数の権利者から順次請求が来るリスク
ビットトレントの利用者が見落としがちなのが、複数の権利者から順次損害賠償を請求されるリスクです。
ビットトレントのユーザーは、1つの作品だけでなく複数の作品をダウンロード・アップロードしていることがほとんどです。
しかし、著作権は作品ごとに、権利者ごとに別個に存在します。
つまり、ある権利者との示談が成立しても、別の権利者からの損害賠償請求には何ら影響しません。
さらに重要なのは、消滅時効は権利者ごとに別個に進行するということです。
例えば、A社の作品に関する開示が先に行われ、B社の作品に関する開示がその1年後に行われた場合、B社にとっての3年の時効はA社より1年遅く開始します。
1社と示談したからといって安心するのは早く、他の権利者からの請求が後から届く可能性を常に念頭に置く必要があります。
よくある質問(FAQ)
- ビットトレントで数年前にAVをダウンロードしたのですが、今になって意見照会書が届きました。もう時効ではないのですか?
-
いいえ、時効が成立しているとは限りません。
民事の消滅時効は「被害者が損害と加害者を知った時から3年」ですが、著作権者があなたの氏名・住所を特定できるのは発信者情報開示の手続きを経た後です。
つまり、侵害行為が数年前であっても、著作権者があなたを特定したのが最近であれば、そこから3年間は損害賠償請求が可能です。ただし、不法行為の時から20年という客観的な上限もあります。
具体的な時効の判断は個別の事情によりますので、当事務所までお気軽にご相談ください。 - ビットトレントの著作権侵害は親告罪だから、著作権者が告訴しなければ刑事罰にはならないのでは?
-
原則として著作権侵害罪は親告罪ですが、ビットトレントでAVや漫画などの有償著作物を原作のまま共有する行為は、著作権法123条2項により非親告罪に該当する可能性が高いです。
非親告罪の場合、著作権者の告訴がなくても検察官が起訴できるため、告訴期間(犯人を知った日から6か月)の制限も適用されません。
そのため、公訴時効の7年以内であれば、刑事処分の対象となる可能性があります。 - 意見照会書が届いたのですが、無視しても大丈夫ですか?何もしなければ時効になりますか?
-
無視することはお勧めできません。
意見照会書を無視しても、発信者情報開示請求が裁判手続きで認められれば、プロバイダはあなたの情報を著作権者に開示します。
その後、損害賠償請求や、場合によっては刑事告訴が行われるリスクがあります。むしろ早期に弁護士に相談し、適切な回答や示談交渉を行うことで、賠償額の減額や刑事事件化の回避につながる可能性があります。
当事務所では意見照会書への対応について具体的にアドバイスしていますので、お気軽にご相談ください。 - ビットトレントで著作権侵害をした場合、実際にどのくらいの損害賠償を請求されるのですか?
-
損害賠償額は、作品の種類・数量、共有期間、ダウンロード回数などによって異なります。
知的財産高等裁判所令和4年4月20日判決では、「ダウンロード回数×1ダウンロードあたりの利益額」という算定方法が採用されており、1作品あたりの裁判所認定損害額は数万円程度にとどまるケースもあります。
ただし、権利者側はこれより高額な請求を行うことが多く、また複数作品を共有していた場合には合計で数百万円以上になることもあります。
- 1社と示談すれば、他の会社から請求されることはなくなりますか?
-
いいえ、1社との示談は他の権利者に対する免責とはなりません。
ビットトレントの利用者は複数の作品をアップロードしていることが通常であり、著作権は作品ごと・権利者ごとに別個に存在します。
そのため、A社と示談が成立しても、B社やC社から別途損害賠償を請求される可能性があります。
おわりに
ビットトレントによる著作権侵害の時効は、民事で3年(加害者特定時から)、刑事で7年(犯罪行為終了時から)です。
特に重要なのは、ビットトレントでAVや漫画を共有する行為は非親告罪に該当する可能性が高いという点です。
これにより、告訴期間(6か月)の制限を受けず、公訴時効7年のみが刑事追訴の期限となります。
また、ビットトレントの利用者は複数作品を共有していることが通常であり、複数の権利者から順次損害賠償を請求されるリスクにも注意が必要です。
プロバイダから意見照会書が届いた場合は、「時効だから大丈夫」と安易に判断せず、速やかに弁護士に相談することを強くお勧めします。
早期に対応することで、損害賠償額の減額交渉や、刑事事件化の回避など、最善の結果を得られる可能性が高まります。
トレントに関するご相談はこちらから
弊所の弁護士へのご相談等はこちらから