X(旧Twitter)の削除申請窓口設置と情報プラットフォーム対処法について

X(旧Twitter)を運営するX Corp. Japanが、権利侵害を報告することのできる窓口を設置しました(https://help.x.com/ja/forms/japan-report)。
これは、令和7年4月1日に施行された特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律に基づいて改正された情報プラットフォーム対処法により、大規模特定電気通信役務提供者と指定されたことによるものです(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai.html)。

情報プラットフォーム対処法により大規模特定電気通信役務提供者と指定されると、大規模特定電気通信役務提供者は、被侵害者が権利侵害投稿の削除等を求めるための申出方法を定めてこれを公表する義務を負うことになります(法22条)。
情報プラットフォーム対処法では、削除を求めるための申出方法として、①オンライン等により申出を行うことができること、②申出を行おうとする者に過重な負担を課するものでないこと、③申出を受けた日時が当該申出を行った者に明らかとなるものであることを求めています(法22条2項)。
また、これに加えて、④被侵害者が日本語による申出を行うことができるものでなければならないとされています(施行規則13条1項)。

被侵害者(投稿等により被害を受けた人)が、大規模特定電気通信役務提供者に対して削除申請をした場合、大規模特定電気通信役務提供者は、申出を受けてから「14日以内の総務省令で定める期間内に、申出者に対し、侵害情報送信防止措置を講じた場合にはその旨、侵害情報送信防止措置を講じなかった場合には講じなかった旨及びその理由を通知しなければなりません(法25条1項)。
そして、この「14日以内の総務省令で定める期間内」は、現在は7日とされています(施行規則16条)。
そのため、X Corp. Japanは、申し出を受けてから7日以内に削除対応または非対応を判断して、申出者に対して通知をしなければなりません(例外となるケースもあります。法25条2項等参照。)。
実際、7日以内に、申出者が記載したメールアドレス宛に通知する体制を整えているようです(https://x.com/XcorpJP/status/1950809832686334214https://x.com/XcorpJP/status/1950809832686334214)。

申出をする流れを確認すると、まずは、「侵害された権利」を選ぶページが出てきます。
「名誉に対する権利」だけでなく、「自尊心の権利」、「プライバシー」、「氏名権」、「肖像権」、「パブリシティ権」、「著作権」、「商標」を選ぶことができます。
自身が侵害されている権利を選ぶと、今度は、その権利に関連した質問項目と、自身のメールアドレスや権利侵害のコンテンツについて入力するページが表示されます。
情報を入力し、「送信」ボタンを押すことで被害申告ができるようです。

これまでは、お問い合わせや通報機能以外では、仮処分等の裁判手続を利用しなければ権利侵害コンテンツの削除は困難でしたが、今後はもっと簡易迅速に対応されることが期待できそうです。

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