X(旧Twitter)アカウント凍結の解除方法|異議申し立てから弁護士対応まで

目次

【この記事の結論】

  • まずはXの異議申し立て手続きを試す(ロック・凍結・永久凍結の段階別の手順を本記事で解説)
  • それでも解除されない場合、弁護士を通じた法的手続き(仮処分等)で解除できる可能性がある
  • 弁護士費用は案件の段階等によって構成が異なるため、まずはご相談を

弊所では、プラットフォーム運営会社との交渉だけでなく、裁判手続きの対応も行っております。
ご依頼費用につきましては、法律相談時にご説明させていただいております。
SNSアカウントが凍結されてお困りの方は、お気軽にご相談ください。

はじめに

X(旧Twitter)は、個人・法人を問わず情報発信やブランディングの重要な基盤として利用されています。
個人にとってはコミュニケーション、情報収集、自己表現の手段であり、ビジネスにおいてはマーケティングやブランディングのための重要なツールです。
このようにXの重要性が高まるにつれて、アカウントが利用できなくなること(凍結・利用停止)による不利益もまた、深刻なものとなっています。

X社は、利用者がXルール(利用規約)に違反した場合にアカウントを凍結する措置を講じることがあります。
しかし、実際にはルール違反が存在しないにもかかわらず、AIによる機械的な判断やX社側の誤認によって、アカウントが不当に凍結される事例も散見されます。

本稿では、X(旧Twitter)のアカウント凍結を解除するために取りうる対応を、自分でできる方法(異議申し立て) から 弁護士に依頼する法的手続きまで、段階ごとに解説します。

※本稿は、note書籍(事例大系 インターネット関係事件 第12章)の内容をまとめたものとなります。詳細は本を購入してご確認ください(宣伝)。

X(旧Twitter)アカウントが凍結される主な原因

アカウントの凍結解除を目指すにあたっては、まず凍結の原因を正しく把握することが重要です。
アカウントが凍結される主な原因としては、以下のようなものがあります。

利用規約・コミュニティガイドラインへの違反

他のユーザーに対する攻撃的な投稿や嫌がらせ、差別的な発言、暴力的なコンテンツの投稿、著作権侵害(他人の動画や楽曲の無断使用)等が検出された場合、アカウントが凍結されることがあります。

スパム行為

短時間での大量のフォロー・フォロー解除、同一内容の繰り返し投稿、自動化ツール(bot)の使用等は、Xルールでスパム行為として禁止されています。

なりすまし・偽装行為

他人になりすましてアカウントを作成・運用する行為は、重大な違反として扱われます。

セキュリティ上の理由

アカウントが乗っ取られた疑いがある場合、運営会社がセキュリティ保護のために一時的に凍結するケースもあります。

AIの誤判定・通報の悪用

規約に違反していないにもかかわらず、凍結されるケースもあります。
AIによる自動判定が誤って正常な投稿やアカウントを違反と認識してしまう場合や、第三者が悪意をもって大量の通報を行い、それをシステムが検知して凍結に至るケースです。
このような不当な凍結に対しては、以下で解説する異議申し立てや法的手続きによって解除を目指すことになります。

特にXにおいては、凍結されたアカウントのプロフィールページに「このアカウントはXルールに違反したため凍結されました」という趣旨の表示が第三者から閲覧可能な状態で行われるため、不当な凍結による名誉上の不利益も無視できません。

アカウント凍結を自分で解除する方法

アカウントが凍結された場合、まず検討すべきは、裁判所を介さない対応です。

1. 異議申し立ての手順と書き方のポイント

X(旧Twitter)では、アカウント凍結に対する異議申し立ての制度を設けています 。
まずは、公式に用意しているフォームや手順に従って、凍結が不当である旨の異議を申し立てることが第一の選択肢となります 。

この手続きにより、運営会社側で再調査が行われ、誤判断であったことが判明すれば凍結が解除される可能性があります。
もっとも、この異議申し立て制度が十分に機能しておらず、申し立てを行っても返信がない、あるいは定型的な応答に終始するといったケースも報告されています 。

異議申し立ての文面で押さえるべきポイントは、以下のとおりです。

  • 1回で通らなくても、文面を変えて再度申し立てる: 異議申し立ては1回で必ず通るものではありません。1度目の申し立てに返信がない場合や、却下された場合でも、異なる視点から理由を補足して再度申し立てることで解除に至るケースもあります。
  • 感情的な表現を避け、冷静かつ具体的に記載する: 「凍結されて困っている」だけでなく、なぜ規約に違反していないと考えるのかを論理的に説明します。
  • 規約のどの条項に違反していないかを具体的に主張する: たとえば「スパム行為として認識されたようですが、実際には○○の理由で短時間に多くの操作が発生したもので、悪意のある行為ではありません」等、凍結理由に対応した具体的な反論が可能な場合、その内容を記載します。

【X(旧Twitter)の異議申し立て手順】

X(旧Twitter)のアカウント凍結には、ロック(一時的な機能制限)、凍結(アカウント停止)、永久凍結(恒久的な停止)の3段階があり、それぞれ対応方法が異なります。

■ ロックの場合(軽度)
ログイン時に電話番号の入力やメールアドレスの確認を求められた場合は、画面の指示に従って操作することで解除できることが多いです。

■ 凍結・永久凍結の場合
以下の手順で異議申し立てを行います。

  1. 凍結されているアカウントにログインする
  2. ブラウザで新しいタブを開き、Xヘルプセンターの「アカウントのロックまたは凍結に関する異議申し立て」ページ(https://help.x.com/ja/forms/account-access/appeals)にアクセスする
  3. ユーザー名、連絡先メールアドレスなどの情報を入力し、Xルールに違反していない理由を具体的に記載する
  4. 入力内容を確認し、フォームを送信する

送信後は、X社からの回答をメールで待ちます。
審査結果が出るまでの期間は通常数日〜1週間程度ですが、内容が複雑な場合やセキュリティ上のリスクが原因の場合は2週間以上かかることもあるようです。

※注意点
永久凍結の場合、異議申し立てを行っても解除される可能性は低くなります。
ただし、AIの誤判定や第三者による通報が原因の場合には、適切な説明によって解除に至った事例もあります。
異議申し立てが通らない場合であっても、後述する法的手続きによって解除を目指すことが可能です。

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2. 運営会社への直接交渉

X社の場合、日本国内に「X Corp.」の登記上の代表者がおり、書面の送付先として利用できます。
ただし、この代表者の権限が裁判書類の受領等に限定されているとの主張がなされることがあり、書面を送付しても凍結解除に関する実質的な対応がなされない場合があります。
また、X社は日本に拠点を有しています(X Corp. Japan株式会社)が、アカウントの凍結・解除の権限はアメリカ本社が有しているとされ、日本法人では対応できないと回答されるケースも報告されています。
そのため、基本的には、海外本社に書面を送付する方法が良いかと思われます。

なお、私の経験上、この方法で数日で対応され、凍結解除に至ったケースもあります。
ただし、あくまでも運営会社の自主的な対応を促す方法ですので、不誠実な会社の場合、対応がなされません。

裁判手続きの利用とその法的構成

裁判外での対応が奏功しない場合、裁判手続きの利用を検討することになります 。
裁判手続きは、最終的な司法判断を求めるだけでなく、その過程で運営会社側に事態を精査させたり、代理人弁護士を選任させて交渉のテーブルに着かせたりする効果も期待できます 。

アカウントの凍結解除を求めるにあたり、請求の根拠となる主な法的構成は以下の通りです。

1.契約に基づくアカウント利用請求

利用者とX社との間には、アカウント登録の時点でSNS利用契約が成立しています 。
利用規約違反の事実がないにもかかわらずアカウントを凍結する行為は、この契約に基づくサービス提供義務の不履行(債務不履行)にあたります。

そこで、利用者は、このSNS利用契約上の地位に基づき、アカウントの利用(凍結の解除)を請求することが考えられます 。
この構成には、主に以下の2つの法的論点が存在します。

  • 国際裁判管轄: Xの利用規約には、紛争が生じた場合の裁判所を、海外の特定の裁判所に限定する「専属的合意管轄」の条項が含まれています 。もっとも、利用者が個人としてサービスを利用している「消費者」に該当する場合、消費者契約法の規定により、この国際裁判管轄の合意が無効となる可能性があります 。その場合、日本の裁判所に管轄が認められる余地があります 。
  • 運営会社の裁量: 運営会社側は、サービスの提供内容や利用制限については、自社に広範な裁量が認められると主張することが想定されます 。これに対し、利用者側は、当該凍結措置が裁量の範囲を逸脱・濫用したものであると反論することになります。

2.名誉権侵害(名誉毀損)に基づく請求

X(旧Twitter)では、凍結されたアカウントのプロフィールページに、「このアカウントは利用規約に違反したため凍結されました」といった趣旨の表示が、第三者から閲覧可能な状態で行われることがあります 。

利用規約違反の事実がないにもかかわらず、このような表示を行うことは、当該利用者の社会的評価を低下させるものとして、名誉権侵害(名誉毀損)に該当する可能性があります 。

この場合、当該表示の削除を請求することが考えられます 。
プラットフォームの技術的な仕様上、この表示のみを削除することが困難であり、表示を削除するためにはアカウント凍結自体を解除せざるを得ない、というケースも想定されます 。
また、仮に表示のみ削除できても、「アカウントが凍結されている」という事実自体が、利用規約違反を想起させるため、権利侵害状態の解消(名誉の回復)のためには凍結解除が必要である、という主張も考えられます 。

なお、この構成による場合、国際裁判管轄は、不法行為地(権利侵害の結果発生地)が日本国内であるとして、日本の裁判所に認められやすいと考えられます

3.名誉感情侵害に基づく請求

第三者には見えない形で、利用者本人に対してのみメール等で「規約違反があった」旨が通知される場合、名誉毀損の構成は困難です

このようなケースでは、根拠なく規約違反者として扱われたことが、個人の主観的な自尊心(名誉感情)を侵害したと主張することが考えられます 。
ただし、第三者への社会的評価の低下を伴わない名誉感情侵害のみを理由として、凍結解除という措置を裁判所に認めさせるハードルは、名誉毀損の場合よりも高くなる可能性があります 。

迅速な解決を目指す「民事保全手続(仮処分)」

アカウント凍結解除を求める裁判手続きには、「通常訴訟」と「民事保全手続(仮処分)」の2種類があります。

1.通常訴訟の問題点

通常訴訟は、最終的な判決を得るために、場合によっては1年近い期間を要することもあります 。
その間、アカウントが利用できない状態が続くと、SNS上で築いてきた人間関係が断絶されたり、事業者が事業機会を喪失したりするなど、回復困難な損害が生じるおそれがあります 。

2.仮処分の有効性

そこで、より迅速な解決を図るための手段として、民事保全手続(仮処分)の申立てが有力な選択肢となります 。
仮処分は、本格的な訴訟の前に、裁判所が暫定的な権利保護を命じる手続きで、通常は数週間から数か月程度で裁判所の判断が示されます。

仮処分が認められるためには、「被保全権利」(凍結解除を求める実体的な権利)と「保全の必要性」(仮処分でなければ回復困難な損害が生じること)の両方を、裁判所に対して主張・疎明(一応の確からしさを示すこと)する必要があります

3.仮処分における主張・立証のポイント

  • 被保全権利の主張・疎明: 法的構成(契約に基づく権利、名誉権など)が存在することを、証拠に基づいて主張します。例えば、名誉権侵害を主張する場合、「アカウントIDから本人を特定できること(同定可能性)」や、「『規約違反で凍結』という表示が社会的評価を低下させること」などを具体的に説明する必要があります 。実名で利用しているアカウントであれば同定可能性は認められやすいですが、匿名アカウントの場合は、そのアカウントが現実の本人とどのように結びついているかを詳細に主張する必要があります 。
  • 保全の必要性の主張・疎明: 凍結状態が続くことによって、申立人にどのような「著しい損害又は急迫の危険」が生じるかを具体的に主張します 。個人の場合はコミュニティからの孤立や精神的苦痛、事業者の場合は信用の低下や経済的損失などがこれに該当します 。

これらの主張・疎明が認められれば、裁判所は運営会社に対して、アカウント凍結を暫定的に解除するよう命じる決定(仮処分命令)を下す可能性があります。

なお、当事務所では、内容証明郵便による凍結解除の申立てだけでなく、裁判手続きを利用した凍結解除の申立ての経験もございます。

弁護士に依頼する場合の費用構造

「弁護士に依頼するといくらかかるのか」は、多くの方が気になるポイントです。
SNSアカウントの凍結解除は案件ごとに状況が大きく異なるため、一律の金額を示すことは困難ですが、ここでは費用がどのような要素で構成されるのか、そして費用に影響する要因について解説します。

凍結解除にかかる費用の構成要素

弁護士に依頼する場合の費用は、一般的に以下の項目で構成されます。

(1)相談料
弁護士に事案の概要を説明し、見通しやとるべき対応についてアドバイスを受けるための費用です。
初回相談を無料としている事務所もあれば、30分あたり数千円〜1万円程度の相談料が発生する事務所もあります。

(2)着手金
正式に依頼する際に支払う費用です。案件の結果にかかわらず発生します。
凍結解除の場合、対応の範囲(交渉のみか、仮処分等の裁判手続きまで必要か)によって金額が変わります。

(3)報酬金(成功報酬)
案件が成功した場合(凍結が解除された場合等)に支払う費用です。
着手金とは別に、成果に応じて発生します。

(4)実費・事務手数料
弁護士費用とは別に、手続きに必要な費用が発生します。主なものとしては以下があります。

  • 裁判所への担保金(供託金): 仮処分を申し立てる場合、裁判所から担保の提供を求められることがあります。担保金は、手続きの終了後に返還される可能性がありますが、一時的にまとまった金額の準備が必要です。
  • 翻訳費用: 運営会社が海外法人の場合、申立書類や証拠の翻訳が必要になることがあります。
  • 送達費用: 海外法人に裁判書類を送達する場合、国際送達の費用が生じます。
  • その他: 収入印紙代、郵便切手代等の一般的な裁判費用

費用が変わる主な要因

同じ「SNSアカウントの凍結解除」であっても、以下の要因によって必要な費用は大きく変動します。

(1)対応の段階
弁護士が代理人として運営会社に交渉(内容証明郵便の送付等)のみを行う場合と、交渉がまとまらず仮処分等の裁判手続きの申立てまで行う場合とでは、弁護士の作業量が大きく異なるため、費用構成も変わります。
交渉段階で解決できれば費用は比較的抑えられますが、仮処分まで必要になると、着手金・報酬金に加えて担保金等の実費も発生します。

(2)案件の複雑さ
凍結の理由がAIの明らかな誤判定であるケース(比較的単純)と、規約違反の有無自体が争点となるケース(複雑)では、弁護士の検討・準備の作業量が異なります。

よくあるご質問(FAQ)

弁護士に依頼するとどのような費用がかかりますか?

一般的に、相談料・着手金・報酬金・実費(担保金・翻訳費用等)で構成されます。凍結解除の場合、対応の段階(交渉のみか、裁判手続きまで必要か)などによって費用構成が大きく異なります。

具体的な金額は案件ごとに異なりますので、まずはご相談の上、お見積もりをご確認ください。

弁護士に依頼すべきか、自分で対応すべきか、どう判断すればいいですか?

まずはご自身で異議申し立てを行い、それでも解除されない場合に弁護士への相談をお勧めします。
ただし、収益化しているアカウントやビジネス用アカウントの場合は、凍結が長引くことによる経済的損失が大きくなるため、早めの相談をお勧めいたします。

異議申し立てが通る確率はどのくらいですか?

凍結の原因、申し立ての内容によって大きく異なるため、一概にはいえません。

AIの誤判定や第三者による通報が原因の場合は、適切な説明を行うことで解除に至るケースがあります。
一方、実際に規約違反に該当する行為があった場合は、異議申し立てだけでは解除が難しいこともあります。

異議申し立てが通らなかった場合でも、法的手続き(仮処分等)によって別途解除を目指す方法があります。

仮処分等が認められると、確実にアカウントは復活しますか?

仮処分等、裁判所に認められた場合、裁判所が運営会社に対してアカウントの凍結解除を命じます。
運営会社がこれに従えば、アカウントは復活します。
ただし、海外法人の場合、履行(実際に凍結を解除する対応)に一定の時間を要するケースもあると予想されます。

Q. X(旧Twitter)の永久凍結でも解除できますか?

永久凍結の場合、異議申し立てだけで解除される可能性は低くなります。
ただし、AIの誤判定や第三者による不正な通報が原因の場合には、弁護士を通じた法的手続き(仮処分等)によって解除を目指すという方法もあります。
実際に、弁護士が代理人として法的手続きを申立てたことで凍結が解除された事例もあります。

凍結されたXアカウントから別のアカウントを作成してもいいですか?

Xルールでは、凍結されたアカウントの所有者が凍結を回避するために新規アカウントを作成することを禁止しています。
新規アカウントを作成した場合、そのアカウントも「凍結の回避」として凍結される可能性があります。
まずは凍結されたアカウント自体の解除を目指すことをお勧めします。

結論

SNSアカウントが不当に凍結された場合、利用者は、プラットフォームが用意した異議申し立て制度のほか、契約上の権利や名誉権などを根拠として、裁判手続きを通じてその解除を求めることが可能です。
特に、長期間の不利益を避けるためには、民事保全手続(仮処分)の利用が有効な手段となり得ます。

ただし、国際裁判管轄の問題や、各法的構成における主張・立証の難易度など、専門的な判断を要する点が多く含まれます。
また、弁護士資格を持たないにもかかわらず、報酬を得る目的で凍結解除の代行を謳う非弁行為を行う業者も存在するため、注意が必要です。

弊所では、プラットフォーム運営会社との交渉だけでなく、裁判手続きの対応も行っており、その過程で凍結が解除された経験もございます。
SNSアカウントが凍結されてお困りの方は、お気軽にご相談ください。

※Instagramアカウントの凍結解除については、以下のコラムをご覧ください。

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この記事を書いた人

髙田法律事務所の弁護士。東京弁護士会所属 登録番号60427
インターネットの誹謗中傷や離婚、債権回収、刑事事件やその他、様々な事件の解決に携わっている。
最新のビジネスや法改正等についても日々研究を重ねている。

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