オンラインカジノは違法?逮捕される?罰則と対処法を弁護士が解説

目次

【この記事の結論】

  • 摘発件数は急増しており(2022年59人→2023年107人→2024年279人)、「バレない」という保証はありません。
  • 日本国内からオンラインカジノにアクセスして金銭を賭ける行為は、たとえ海外運営のサイトであっても、賭博罪(刑法185条)に該当し違法です。
  • 常習的に利用していた場合は、より重い常習賭博罪(刑法186条1項)が適用され、3年以下の拘禁刑(旧:懲役刑)に処される可能性があります。
  • 2025年9月の法改正により、オンラインカジノの広告・宣伝・勧誘行為も禁止されました。

はじめに

「海外のライセンスを取得しているから合法」「日本から利用しても問題ない」
インターネットやSNS上では、このような誤った情報が今なお拡散されています。

しかし、日本国内からオンラインカジノにアクセスして金銭を賭ける行為は犯罪(賭博罪)です。
2025年には、著名人のオンラインカジノ利用が相次いで発覚し、書類送検・略式起訴・逮捕に至った事例が大きく報道されました。

本稿では、オンラインカジノが刑法上どのように取り扱われるのか、実際の摘発事例、2025年の法改正、逮捕された場合の手続き、そして弁護士に相談すべきケースについて解説します。

オンラインカジノが違法となる法的根拠

賭博罪(刑法185条)

日本の刑法は、公営競技(競馬・競輪・競艇・オートレース)や宝くじなど法律で認められた例外を除き、金銭を賭けて偶然の勝敗で得喪を争う行為を「賭博」として禁止しています。

刑法第185条(賭博)
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。

「賭博」が成立するための要素は以下のとおりです。

  • 偶然の勝敗によって決定されること: スロット、ルーレット、バカラ等の結果は偶然に左右される
  • 財物または財産上の利益の得喪を争うこと: 金銭やチップ(最終的に金銭として出金できるもの)を賭けること
  • 当事者双方がリスクを負担すること: 賭けた金銭が勝敗によって移転するリスクを両者が負っていること

オンラインカジノは、入金した金銭をチップに替え、偶然性の高いゲームの結果によってチップが増減し、最終的に金銭として出金する仕組みです。
これは上記の要素をすべて満たします。

なお、「一時の娯楽に供する物」(友人同士で飲み物代を賭けるような場合)は例外的に賭博罪に該当しませんが、オンラインカジノの賭け金はこの例外にはあたりません。

常習賭博罪(刑法186条1項)

刑法第186条(常習賭博及び賭博場開張等)
1 常習として賭博をした者は、三年以下の拘禁刑に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。

※2025年6月1日施行の改正刑法により、「懲役」が「拘禁刑」に改められました。

オンラインカジノは、スマホ一つでいつでもアクセスできるため、繰り返しプレイしやすく、常習賭博罪が適用されるリスクが非常に高いという特徴があります。
「常習性」は過去の検挙歴がなくとも、短期間に多数回のベットを行っている、多額の入出金を繰り返している等の客観的事実から認定されます。

単純賭博罪が「50万円以下の罰金又は科料」であるのに対し、常習賭博罪は「3年以下の拘禁刑」と格段に重い刑罰が科されます。

賭博場開張等図利罪・賭博幇助罪

オンラインカジノの運営者側には賭博場開張等図利罪(刑法186条2項、3月以上5年以下の拘禁刑)が適用されます。

また、決済代行業者やアフィリエイターなど、オンラインカジノの運営を手助けした者には賭博幇助罪が適用される可能性があります。
2025年には、SNSでオンラインカジノへの勧誘を行っていた者が常習賭博幇助罪で逮捕・起訴された事例も出ています。

「海外サイトだから合法」は通用しない

「属地主義」賭けた場所が日本であれば違法

日本の刑法は属地主義(刑法1条)を採用しています。
犯罪行為が日本国内で行われた場合、犯人の国籍やサーバーの所在地に関係なく、日本の刑法が適用されます。

オンラインカジノの場合、プレイヤーが賭けの操作を行った場所は日本国内です。
自宅や外出先でスマートフォンやパソコンを操作してベットした瞬間、犯罪の実行行為は日本で行われています。

サーバーが海外にあることも、運営会社が海外政府のライセンスを持っていることも、日本国内からの利用が違法であることを変えるものではありません。

海外旅行先でのカジノとの違い

ラスベガスやマカオなど、カジノが合法な国で賭けをすることは、その国の法律で合法とされている限り、日本の賭博罪には問われません。

これに対し、オンラインカジノは「海外のカジノに、日本国内からアクセスして賭けている」のであり、行為地は日本です。
この点を混同させる情報には注意が必要です。

政府・警察の公式見解

警察庁は公式ウェブサイトにおいて、明確に「海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です」と記載しています(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html)。
消費者庁も注意喚起を行っています(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_030/)。

2025年法改正——広告・勧誘行為も違法に

2025年6月に改正ギャンブル等依存症対策基本法(令和7年法律第76号)が成立し、同年9月25日に施行されました。

この法改正により、以下の行為が禁止されました。

  • オンラインカジノサイトの提示行為: 不特定多数に対してオンラインカジノのウェブサイトやアプリを提示すること
  • 誘導情報の発信行為: SNSでオンラインカジノのリンクを投稿する、「おすすめオンラインカジノ○選」のようなまとめサイトを作成するなど

法改正前からアフィリエイターの逮捕事例はありましたが(常習賭博幇助罪の適用)、この法改正により誘導行為そのものが明文で禁止(改正ギャンブル等依存症対策基本法9条の2)されました。

なお、改正ギャンブル等依存症対策基本法は上記の行為を「禁止」と明文化したものですが、同法自体には罰則規定は設けられていません。
もっとも、これらの行為は従来から刑法上の賭博幇助罪(刑法62条1項・186条1項)として処罰される可能性があり、実際に検挙された事例も存在します。

実際の摘発事例

「スマートライブカジノ事件」(2016年)

オンラインカジノのプレイヤーが日本で初めて逮捕されたのが2016年の「スマートライブカジノ」事件です。
英国に拠点を置きながら日本人ディーラーが日本語でゲームを進行するなど、明らかに日本人をターゲットにした運営でした。

京都府警がプレイヤー複数名を単純賭博の容疑で逮捕。
大半は略式起訴で罰金を支払いましたが、裁判で争う姿勢を見せたプレイヤーに対しては検察官が不起訴処分としました。

ただし、不起訴はオンラインカジノが合法と判断されたことを意味しません。
不起訴にはさまざまな理由があり得ます(起訴猶予、証拠不十分等)。

決済代行業者の摘発と芋づる式捜査

その後、オンラインカジノの入出金を仲介する決済代行業者が相次いで摘発されました。
決済代行業者の顧客リストや取引記録から、多数のプレイヤーが特定され、一斉検挙されるという大規模な事件が発生しています。

2025年の大量摘発

2025年は、オンラインカジノの取締りが一気に加速した年となりました。

  • テレビ局の元幹部社員が常習賭博罪で逮捕・起訴された事例
  • プロスポーツ選手が複数名書類送検された事例
  • 芸能事務所所属のタレント複数名が略式起訴された事例
  • SNSでの勧誘行為による逮捕(常習賭博幇助罪)
  • アフィリエイトサイト運営者の逮捕

警察庁のデータによると、オンライン上の賭博事犯の検挙人数は2022年59人→2023年107人→2024年279人と急増しており、取締り強化の傾向は明確です。

どうやって発覚するのか(「バレる」ルート)

「自分だけは大丈夫」と考える方は多いですが、オンラインカジノの利用が発覚するルートは複数存在します。

決済代行業者の摘発からの芋づる式捜査

最も多い発覚ルートです。
オンラインカジノの入出金を仲介する決済代行業者が摘発されると、その顧客リスト・取引記録が捜査機関に押収され、利用者が一斉に特定されます。

銀行口座の異常検知

多額の海外送金や頻繁な入出金は、銀行のマネーロンダリング対策(AML)システムで異常取引として検知される可能性があります。
銀行から疑わしい取引として捜査機関に通報等がなされると、捜査の端緒となります。

税務調査・確定申告

オンラインカジノで得た利益は所得税の課税対象です。
多額の利益が出ているにもかかわらず申告していない場合、税務調査をきっかけにカジノ利用が発覚する可能性があります。

SNS・配信からの特定

オンラインカジノのプレイ動画をSNSや動画配信サイトに投稿することは、自ら証拠を公開しているのと同じです。
実際に、オンラインカジノの配信動画を視聴した人からの匿名通報がきっかけとなり、配信者が常習賭博の疑いで逮捕された事例があります。

逮捕された場合の手続きと刑罰

逮捕後の流れ

オンラインカジノの利用で逮捕された場合、おおむね以下の流れとなります。

  • 逮捕(最大48時間)→ 検察官送致 → 勾留請求(最大20日間)→ 起訴/不起訴の判断
  • 賭博罪の場合、身柄拘束ではなく在宅事件(逮捕されずに書類送検)として処理されるケースも多くあります
  • 起訴される場合、単純賭博罪であれば略式起訴(罰金刑)となることが多いです
  • 常習賭博罪で起訴された場合は正式裁判となり、拘禁刑(旧:懲役刑)が科される可能性があります

前科がつくリスク

略式起訴であっても、罰金刑の有罪判決であるため前科となります。
前科は就職や海外渡航(ビザ申請等)に影響を与える可能性があります。

社会的制裁

実名報道される可能性があるほか、勤務先の就業規則によっては懲戒処分の対象となることもあります。
公務員の場合は、有罪確定により失職する可能性があります(国家公務員法76条、地方公務員法28条4項)。

弁護士に相談すべきケース

既にオンラインカジノを利用してしまった方

過去にオンラインカジノを利用した経験がある場合、まずは直ちに利用を停止してください。
そのうえで、不安がある場合は弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に相談すれば、利用状況に応じた今後の見通し(立件の可能性や自首等)についてアドバイスを受けることができます。

警察から連絡があった・事情聴取を受けた方

警察から出頭要請や電話があった場合は、速やかに弁護士に相談してください。
事情聴取での供述内容は、その後の起訴・不起訴の判断に大きく影響します。
弁護士の助言なく事情聴取に応じることは避けるべきです。

逮捕された方のご家族

ご家族が逮捕された場合、接見禁止が付くと、弁護士(弁護人)しか面会できません。
早期に弁護士を選任することで、不起訴処分や早期釈放を目指した弁護活動を開始できます。

弁護士が行う具体的な弁護活動

  • 情状弁護: 起訴された場合でも、初犯であること、依存症の治療を開始していること等を主張し、罰金刑や執行猶予を目指す
  • 不起訴処分を目指す主張: 賭博の回数・金額が少ないこと、本人が深く反省していること、再犯防止策を講じていること等を検察官に主張
  • 身柄解放活動: 逮捕・勾留された場合、早期釈放を求める意見書の提出

よくある質問

オンラインカジノは「グレーゾーン」ではないのですか?

いいえ、グレーゾーンではありません。

日本国内からオンラインカジノで金銭を賭ける行為は、刑法185条の賭博罪に明確に該当する違法行為です。
「グレーゾーン」という言説は、運営者やアフィリエイターが利用者を誘引するために使う虚偽の情報です。

無料版やデモプレイでも違法ですか?

金銭を賭けていない「無料版」「デモプレイ」は賭博罪の構成要件を満たさないため、直ちに違法とはなりません。

ただし、警察庁は「無料版やボーナスであってもオンラインカジノの利用は絶対にやめましょう」と警告しています。
無料版から有料版への移行を促すのがオンラインカジノの一般的な手口であるためです。

過去に1回だけ利用したことがありますが、逮捕されますか?

利用の回数や金額、時期等によって立件の可能性は異なります。
1回の少額利用で摘発される可能性は相対的に低いですが、ゼロとは言えません。

不安がある場合は弁護士に相談することをお勧めします。

海外に住んでいる日本人が、現地で合法のオンラインカジノを利用する場合は?

原則として、行為地が日本国外であり、その国でオンラインカジノが合法であれば、日本の賭博罪は適用されません。
ただし、一時帰国中に日本国内からアクセスした場合は違法となります。

おわりに

本稿で繰り返し述べてきたとおり、オンラインカジノを日本国内から利用する行為は賭博罪に該当する犯罪です。
2025年の法改正により、広告・宣伝・勧誘行為も明確に禁止されました。
取締り件数は年々増加しており、「自分だけは大丈夫」という保証はどこにもありません。

もし既に利用してしまい不安を感じている場合、あるいはご家族が関わっていることを知った場合は、一人で抱え込まず、速やかに弁護士にご相談ください。

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この記事を書いた人

髙田法律事務所の弁護士。東京弁護士会所属 登録番号60427
インターネットの誹謗中傷や離婚、債権回収、刑事事件やその他、様々な事件の解決に携わっている。
最新のビジネスや法改正等についても日々研究を重ねている。

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